大衆にモラルはある？・・大衆の一員として大衆のモラルを考える

世の中、乱れています。
偉い人も乱れていますが、大衆も乱れています。

大衆にモラルはあるのでしょうか？

オルテガはこんなことを言っています。
１．問題は今やヨーロッパにモラルが存在しないということである。それは、大衆人が新しく登場したモラルを尊重し、旧来のモラルを軽視しているというのではなく、大衆人の生の中心的な願望がいかなるモラルにも束縛されずに生きることにあるということなのである。
２．今日の人間に対してそのモラルの欠如を難詰するのはあまりにも無邪気な行為だというべきであろう。今日の人間には非難は通じないばかりか、むしろ彼らをほくそえませることになるだろう。非道徳的な行為は安直の極に達してしまい、今や誰でもがこれ見よがしに非道徳的な行為をする時代になったのである。
（オルテガ・イ・ガゼット「大衆の反逆」より）

◆ 下品なネット記事、下品な週刊誌、下品なテレビ番組。
◆ 車内で見かけた下品な人、それを見て不快になった私、でもついつい下品なネット記事を読んでしまう私。
◆ 理性では下品を貶しながら、実のところ下品に籠絡されている私。

あなたは今の大衆にモラルはあると思いますか？
あるとしたらそれは何ですか？

他人はいいとして、あなた自身にモラルはありますか？
それは何ですか？

（中沢努「日常を哲学する」から抜粋）

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