はじめてのラジオ出演を終えて。(2) - エクステリアデザイン - 専門家プロファイル

江藤 繁
有限会社エストア 代表取締役社長
エクステリアコーディネーター

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閲覧数順 2024年04月23日更新

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はじめてのラジオ出演を終えて。(2)

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つぶやき

はじめてのラジオ出演を終えて。(1)のつづき・・・

3月11日の大地震は事務所で体験し“死”を感じ立ち尽くしていました。
いざとなると地震訓練の対応をすることだと解っていても
ただ時間が流れるのを待ち、長い揺れを受け止めることしか出来ませんでした。

長い揺れがようやく静まると事の大変さは直感的に肌に感じましたが、
強烈な経験をしたためかどこか達観している自分に気付き、
帰宅困難やお台場の火災や津波の情報が異国の出来事の様に遠くで鳴っているようでした。

3月11日の午後2時46分、確かにあの大震災の一端を体験し、
多くの人たちと共感できるはずなのにどこか達観し、
いつもと変わらない日々を求め震災前と変わらない日常を過ごしている、
過ごしたいと思ってもがいている様に感じます。

自然災害は誰の責任でもなくこの地球に住み続ける・・・この宇宙に生き続ける限り
逃れることの出来ない事象であることは明確ではあるものの、
その理不尽さと突発性と偉大さの前で
我々はあまりにも非力で小さな存在で有ることを思い知りました。

震災後各メディアが不眠不休で情報を流し続けている
プログラムを休業して眺めることもなく、
原発事故に関心を持ちながらも“安心です!”を鵜呑みにするしかなく、
情報に流されて行くしかないと思っていましたが、
3月12日に家族とスタッフに伝えたことがあります。
「恐らく日本はもう駄目で、東北から北関東地域は
放射能で壊滅的になるだろうから、
親戚・親類を頼って少しでも西に移動した方が良い。」
今となってはもっと強く提唱していれば良かったと思っていいますが
6月中旬に於いては既に睡眠術に掛けられた状態となり、
狼少年が何度狼が来ると言っても、
本当に襲い掛ってきているとしても逃げる気力を奪われている状態です。

自然災害ならば傷付いた心を癒し、元気を補充して、
また自然の中で過ごし始めることを望むだろうし、
我々はいつもそうして生き続け血を繋いできたのだから・・・。

しかし、原発事故は自然災害により起こった事故ではあるのですが
人類は・開発者は・政府は・電力会社は・地域の有力者は、
その地域で血を繋いできた人々に偽りの安心と少しばかりの利益を振りまいて騙し、
自然災害よりも酷い事態を招き寄せてしまったのです。

傷を癒し再び生き続ける場所さえも奪い取られてしまいました。

地震と津波によって多くの尊い命が失われ、
今後原発による放射能によって多くの命が苦しみながらその灯を消してゆくのです。

人の死に種類はないのかもしれない・・・死は厳然たる死であって
何か他のものを付け加えられるものではないのかも知れませんが、
自然災害による死は自然の中で生きる我々人類の宿命と言って良いと思いますが、
原発事故で与えられる死は宿命的な死ではなく殺人である。

こうした死への恐怖は震災直後に既に始まり、
日本に留まらず世界にも蔓延して行く。

計画停電・生活物資の不足・政治不安・放射能汚染・メディアの情報操作・増税の懸念・・・。

こうした状況でパニックにならないために重要情報を隠蔽したという理由が罷り通り、
市民の自力防衛本能を徐々に奪い取り『いまさら・・・』へ追い込み、
普段通りに過ごす事が重要であると刷り込まれてきました。

震災から3ヶ月が経過し震災前と変わらない生活を過ごしています。

都内では珍しくデモが発生し多くの人を動員したと報じられ、
次世代の電力供給に対して脱原発と訴えているが、
一般市民の私からするとこれもズレた話です。

次世代電力は国の祭ごとで国の方向性の問題であり、
一市民はそうした方向性に則っていくしかない…。

今最大の問題は今住んでいるこの地域・この場所は安全なのか、
そして安全で有るならばいつまで安全で安全を害する事案は
今後発生する見込みがあるのかが重要なのです。

もし安全で無いのであれば、
私たちにそうした情報を提供して欲しいと切に願うのです。

私が住んできたこの日本という国は世界では稀なほど
自由で多くの情報を得られる国だと信じて来ました。
そうして一定のルールに従い他人に迷惑を掛けなければ
自由が保障されているのだとも思ってきました。
しかし今や我々は身の危険に対して十分な情報も得られず、
身の危険に際してパニックになることも抑制されている。

愛する家族を想い、愛する我が子の未来を想うと我々は
ただこの地に立ちつくし見えない脅威と不安に苛まれ、
この地を離れる決心を迫られる思いを強くするのです。
血と汗を滲ませ代代受け継いできたこの地を捨てろと、
背を向けて行けと原発事故が背中を押そうとしているのです。

建築業界に身を置く者としてこの度の震災に対しての住宅の強度や、
沿岸地域に於ける町づくりの様相はどうであったかの検証が知りたいのですが、
結局原発事故一色の前に有益な情報は皆無であり、
その壮絶な被害の前にそこに街を形成して良かったのか、
災害の教訓は守られてきたのかを問いかけなければならない状況です。

東北地方の工場が被災し製作工程ラインが止まり建築資材の生産供給が滞り、
ゴールデンウィーク以降順次再開を果たし供給が始まっても、
建築資材の運搬に際して建築資材自体が被爆しており
それが建売住宅等に利用された経過があったが、その後の情報は出てこない。
その建材を使用した住宅を購入した住人は被爆し続けるのかも知れない。

そして、工場再開を果たしても現在新築工事の完成の目途は年内には難しい状態が続いており、
建築業界の経済状況を圧迫し続けている。

経済にも人の心にも大きな影を落としたこの度の災害ですが、
少なからず大切なものを失った被災地や被災者にせめてものものをと、
日本国はもとより世界から支援の輪が広がっています。

私に出来ることは…?そんな想いの中にこの国は今います。

復興の構想はこうした被害の土台に立ち上げ、震災に強い街づくりや経済拠点の開発を
有効にそして効率的に考えていく必要があり、早急な対応が最も大切です。

また、せめて人らしく暮らすために最低限の援助は…。
未来に対しての希望は…。
今日がどんなに苦しくても、明日はきっと今日よりも素晴らしいのか…。

私たちは想像しなければいけません。
愛する人を突然失ってしまう事を、愛する地を追われなくてはいけない状況を、
働ける場所を失う事を、政治が機能せず路頭に迷う事を…。

そうして想像を続けると動かずにはいられなくなり、行動に移したくなるはずです。
ボランティア精神の芽生えを覚えるはずです。

しかし、そんなボランティア精神を阻害しているのがまさしく政治であり、
原発事故ではないかと思います。
被災地に入ることの恐怖感は外部からの応援に対しても躊躇するケースが増えているのではと思います。

適切に間違いの無い正確な情報が得られないからこそ恐怖心が増強されることが解っていない。
私たちは判断できる!どうすれば自分が幸せでいられるかを、
そして私たちは行動できる!これからも幸せでいるために。

一日も早い復興を心から願い、
被災者の皆様に健やかな日々と健康と笑顔が戻る様、
私も引き続き支援させていただきます!

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