- 中沢 努
- パンセ・ソバージュ・アンド・カンパニー 代表
- 東京都
- コンサルタント・研修講師・講演講師
対象:人材育成
(注)内言=無音の心の中の言葉、エレンコス=反駁的な対話や問答
皆さん、
「自分の実感値」、疑ったことありますか?
あなたの心の中にある「まあ、しかたないさ・・・」、疑ったことありますか?
**************************************************
今から20年後。
庶民の所得水準は上がっているだろうか?
答えは分からない。
しかし、「上がらない」或いは「下がる」と感じている人は多いだろう。
では、今から20年後の社長のそれはどうだろうか?
上がるか?、下がるか?、イーブンか?
こちらも答えは分からない。
しかし、「上がる」或いは「イーブン」と感じている人は多いだろう。
さて、これを読んでいるあなたも同じように感じていたとしよう。
すなわち、
「庶民の所得は下がる」
「社長の所得は上がる」。
変だと思わないだろうか?
マルクスは「資本家は労働者の労働力の使用価値を手に入れる。しかし労働者には労働力の交換価値しか支払わない」と喝破した。
良し悪しの議論は別にして、まあそれが現実であろう。
「まあ、しかたないさ・・・」が庶民の実感値かもしれない。
しかし、そういう「感じ」に流されていいのだろうか?
ここで、皆さんに提案します。
『実感値に敢えて逆らい「変だぞ」という気持ちを持続させてみる』を。
エポケー(判断中止)の始まりです。
フッサールは現象学的還元という思考の方法を提示しました。
現象学的還元とは「自然的態度の一般定立の徹底的変更」のことです。
これをやるためには、自分の眼前の事物をいったんカッコに入れ、それに対する判断を停止させればいい。
だから、「まあ、しかたないさ・・・」をカッコに入れ「それが現実さ」という判断を停止させるのです。
(出典)http://profile.ne.jp/pf/pensee-tsutomu-nakazawa/c/c-46269/
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内言によるエレンコス講座は、いわゆる「読み物」ではありません。
これは「思考の練習帳」です。
「自分に」問いかけ、「自分で」考えて下さい。
【ワーク1】
上の引用箇所を読んだ感想をノートに書いてみて下さい。
【ワーク2】
命題 「悪貨は良貨を駆逐する」
これをエポケーし、異なる命題を作って下さい。
【ワーク3】
命題 「世の中、結局・・稼いでなんぼだよ」
これをエポケーし、異なる命題を作って下さい。
【ワーク4】
命題 「成功しないと社会は認めない、成功しちゃえばいいんだよ」
これをエポケーし、異なる命題を作って下さい。
【ワーク5】
命題 「ああ、結局俺は変われない・・。」
これをエポケーし、異なる命題を作って下さい。
(中沢努「<深く考える>序開き」から抜粋)
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