- 小川 勇人
- 小川の家 代表取締役
- 長崎県
- 建築プロデューサー
対象:新築工事・施工
以前、2,000万円の中古住宅を探されている方(30代女性、子ども2人そして両親)が相談にいらっしゃいました。
中古住宅の仲介業務には対応していなかったのですが、事情を伺うと
「つい先日、主人が病気で亡くなりました(享年39歳)。3か月以内に社宅を退去しなければならないので、家を探している」とのこと。
要するに「主人が亡くなったのでマイホームが必要になった」そうです。
購入資金は「夫の生命保険金」。
要望が多く、条件をすべて満足する物件はありません。
加えて、ご両親との同居(妻側)も検討したいとおっしゃる。
私は将来の事を考え、ひとまずアパートを借りるか、退去期間延長を会社にお願いするか、あるいはご両親宅(持家)に身を寄せるなどして、落ち着いて検討する事を提案。
ところが「時間がない」「安くしたい」「アパートはイヤ(社宅に10年暮らし続けていたにも拘らず)」の一点張りです。
そもそもどうして「家族が路頭に迷う事態」に陥ったのでしょうか。
Aさんは転勤族・39歳・結婚10年・子ども2人。
根本原因は、この10年間、家族の生活拠点の事、自らの万一の事を真剣に考え、備えていなかっただけです。
この話にはオチがあります。
数ヵ月後、事務所の近くに大きくて立派な新築住宅が完成しました。聞けば、施主は件の相談者。
土地代金だけでも1,500万円以上する物件です。
<ここから先は私の捉えかたです>
「(夫が)生きている間は、マイホームは絶望的」と判断していた妻は、
その構想と、それを叶えるために、貯金ではなく生命保険金という形で備えていたようです。
私はこの経験から、相談者の資金事情を伺う際、
「貯金より保険」というご夫婦には、注意を払うようにしています。
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