相続する人が相続開始前に死亡するなどした時は、その人の子が代わりに相続することが定められています。このことを代襲相続といいます。
その代襲相続が認められるかどうかの判決が先日ありました。内容は下記の通りです。
母親と長男、長女の3人で母親が全財産を長男に相続することを遺言に残しました。ところが長男が2006年6月に先に死亡し、2006年9月に遺言を書き直さずに母親が死亡しました。この場合、長男の子供に代襲相続が認められ、全財産を長男の子供が受け取れるかどうかということで争われました。
結果は、認められませんでした。
理由としては、遺言をする人が特定の相続人に財産を相続させる場合、通常は遺言をする人がその相続人に取得させる意思があることであり、遺言で代襲相続の支持まで出さなければ母親はそこまでの意思はなかったということになるからだそうです。
よってこのケースは長女の訴えどおり法定相続分(※)の権利が長女に発生しました。
遺言を書くときには、いろいろなケースを考えて書かなくてはならないですね。
※ 法定相続分とは
法定相続分とは民法で定める相続分であり、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の取り分です。
1、 配偶者と子供が相続人である場合
配偶者1/2 子供(2人以上のときは全員で)1/2
2、 配偶者と直系尊属が相続人である場合
配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3
3、 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合
配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4
このコラムの執筆専門家
- 辻畑 憲男
- (東京都 / ファイナンシャルプランナー)
- 株式会社FPソリューション
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