- 奥山 裕生
- 奥山裕生設計事務所 主宰
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
人間は昔から太陽の光と共に生活しています。
朝と夕方は赤っぽい光(色温度の低い光)、
昼間は白い光(色温度の高い光)。
つまり、人間は、白い光のもとで活動し、
赤っぽい光になると休息するという生活リズムを持っています。
この生活リズムは、照明計画を行なう上でも非常に参考になります。
「蛍光ランプ」のような白い光(色温度5000K)は、
人を生き生きと活動的にさせるので、
作業性を求める台所の手元や洗面カウンター、作業部屋など
の照明に適していると言えます。
また、「白熱ランプ」のような赤い光(色温度2800K)は、
人を落ち着いた雰囲気にさせるので、
安らぎを求めるリビングや寝室の照明に適していると言えます。
また、これらのことは、生理的にも実証されており、
色温度の低い照明では、周波数がゆったりとしたα波が脳波から出され、
ストレスの低減に好ましい状態になると言われています。
住宅の照明計画を行なう上では、
まず、「蛍光ランプ」と「白熱ランプ」の使い分けを
正しく理解して計画を行なうことが重要です。
近年、「省エネ」という観点だけで、蛍光ランプが多用されていますが、
本来の照明計画、つまり「家はくつろぐ場所」であることを忘れられている
ような気がしてなりません。
人間の生理に適した照明計画にもとづく住まいは、心地よいものです。
もう一度、照明器具を見直してみませんか?
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