- 高津 嘉邦
- 代表取締役
- 兵庫県
- 保険アドバイザー
対象:保険設計・保険見直し
突然ですが皆さんは、「資産運用」と「資産形成」の違いが、何だかわかりますか?
私が接したお客様の多くも、この2つの言葉を混同されていました。「どちらも、お金を増やすことでしょう?」と。
確かに、「資産運用」も「資産形成」も、お金を「増やすこと」には違いありません。
しかし、この2つの考え方には、「増やすこと」が『目的』なのか『手段』なのかという、明確な違いがあるのです。
「資産運用」は、お金を「増やすこと」を『目的』にした考え方です。「より多く」、「より短期で」、「リスクを負ってでも」増やすこと。
とにかく「増やすこと」を『目的』として、増やすためのあらゆる『手段』を考えていきます。
お金と上手く付き合っていける人であれば、手にしたお金を有効に活用して、豊かな人生に繋げることができますが、一方で、「どこまで貯めればよい」という終わりのない活動でもあります。
それに対して「資産形成」は、お金を「増やすこと」はあくまで「長期視点で自分の人生を豊かにする」という『目的』のための、『手段』でしかありません。
前回もお話しましたように、「資産形成」とは、将来の自分に、今の自分の持っている余剰分のお金を「受け渡す」ことを意味しています。
ですので、リスクを負ってまで必要以上のお金を増やす必要はありません。
「どちらがよい」ということではないですが、豊かな人生を過ごすためには、自分に合ったお金との付き合い方を「続ける」ことが必要です。
つまり、自分自身で学習をして考え、納得がいく結論を導くということ続けていかなければならないのです。そうした考え方を持って行動していくことを「自己管理」といいます。
また、「資産運用」や「資産形成」という考え方に基づくと、その選択肢は、銀行預金や不動産、株式、金の現物買い等、様々です。
その中の選択肢の1つに「保険」もあります。こうした商品の中から自分に最適な商品を選ぶことも、「自己管理」の1つであるといえるでしょう。
まずは、私たちが60歳を迎えたとき、自分はどのような状態でありたいのか、そのためには、お金とどのような付き合い方をしていくことが望ましいのか、ということについて、今一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか?
公的年金の不安や、退職金を廃止にしている企業が増えていくといった昨今の状況も踏まえると、誰かが何とかしてくれるから、という他人に依存した考え方で、自分の望む未来を手にすることは、難しいように思います。
今から自分自身でできることは何か、と考えることが、「自己管理」の第一歩といえるのではないでしょうか。
また、そのような自立した考え方を持つ人が1人でも多くなることで、日本はより豊かな国になると思います。
※「美楽」(2010年9月号)に執筆したもの
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