- 加藤 一枝
- 晴ハレ住環境設計 所長
- 愛知県
- 建築家
対象:新築工事・施工
アレルギーブームと言われる現代...。アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそくや花粉症等アレルギー様症状を訴える人は、全年齢層で3人に1人が悩まされているそうです。
既にご存じのように、これらのアレルギー症状を引き起こす原因となるものをアレルゲンといいますが、アトピー性皮膚炎のアレルゲンは、ダニ、ハウスダストが圧倒的で、その他、カビ、ペット、黄色ブドウ球菌の出す毒素等となっています。また、気管支ぜんそくのアレルゲンも、ダニ、ハウスダスト、カビ等が大きな原因となっており、かつては発作を薬で止める対処療法が中心でしたが、現在は、家の中のダニの除去等の予防的治療がされるようになる等、住環境の衛生が重要視されるようになってきました。
アレルギー症状を引き起こしやすい体質は、親から子へ遺伝すると言われますが、親がアレルギー体質だからといって、子供が必ずアレルギーになるということではありませんし、その逆に、アレルギー症状の家族歴がなくても、大気汚染、室内汚染等の住環境や、ストレス、食生活、運動不足等の環境要因によって症状が引き起こされる可能性がありますので、予防を心がけることが大切ですね。
効果的に予防をするには、これらアレルギーの最大要因であるダニ・カビをよく知り、退治しておく必要があります。アトピー性皮膚炎の8~9割、子供のぜんそくの9割、大人のぜんそくの5割が、ダニが原因となっているそうなのですから。
まず、ダニの繁殖条件ですが、温度は20~30度、湿度は60~80%、ダニのエサは、人間や動物のアカ、フケ、カビ、ハウスダスト(1グラムの中には、2500匹のダニがいると言われています)等ですので、少なくとも、湿度を60%未満に下げるか、ハウスダストやカビ等エサを徹底的に取り除けば、ダニは繁殖しないというわけです。ハウスダストは、床だけでなく、家具の上や置物についたほこり、カーテンのほこり等も除去しましょう。
カビの繁殖条件も、温度は20~28度、湿度は60%以上、カビの栄養は、食品、食べこぼし、人間や動物のアカ、フケ、壁紙のノリ等の有機物、石鹸の泡に含まれる窒素等ですので、やはり、少なくとも、湿度を60%未満に下げましょう。カビは、タイルの目地等についた目に見えるカビだけでなく、室内の空気中に無数の胞子を飛ばして目に見えない形でも体内に入りこみますので、エアコン、ヒーター、加湿器等の衛生的なメンテナンスを忘れないようにしておきましょう。
参考)体内に入るモノの量は、飲食物が15%前後で、残りの殆どが空気です。空気の質の重要性がわかります...。
しかし、仕事をもっていたり、小さなお子さんがいる場合は、毎日丁寧に掃除なんかしていられないかもしれませんが、一つずつでも、できることから改善してみてください。
そこで、まず手始めにやってみるとよいことは、湿度を60%未満に下げることです。しかし、今の季節、かぜ、インフルエンザが流行していますね。困ったことに、ウィルス乾燥を好み湿度40%以下で活躍します...。
ということは、もうお気づきのように、湿度40%を超えて50%(カビは50%以上で繁殖し始めて60%で急増)位とすれば、ダニ・カビの繁殖も抑えてアレルギー症状を予防でき、かぜ・インフルエンザの予防もできる、というわけです。
では、まだまだ、寒い日が続きますが、くれぐれも健康管理に気を付けてお過ごしくださいますように!!
晴ハレ住環境設計 加藤一枝
http://www.halehale-jukankyo.com/
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