- 小林 良
- 一級建築士事務所 DESIGN-SPEC 代表
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
まず、「家を買う」という消費者意識が根本的に間違っている。ここから改めねばならない。
消費者意識、つまり、自分が買い手で、住宅メーカーが売り手という構図があるが、これは「需要と供給の等価交換」であり、それは契約時から時間的には止まってしまう。
つまり、消費社会においては、需要があり、その求められた時点での需要に対して、それに見合うサービスが提供(供給)されることで、そのやりとりは完了するのである。これがいわゆる「契約」というものである。
しかし、これはおかしい。
なぜなら、消費者(購入者)は、契約時点においては、供給される家に対して、なんら理解していないからである。
家ができあがっていく過程を「経験」することによって、理解が深まり、色々なことが「わかってくる」のである。
だが、時すでに遅し、そのようなことは契約時には認められていないので、全てが「追加・オプション」となっていくのである。
家をつくるとは、そんな「簡単なもの」ではないのだ。
(3)につづく。
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