身近な中毒 - ペットの食事・栄養 - 専門家プロファイル

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身近な中毒

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犬の病気 中毒

 食欲の秋、というわけではないでしょうが、最近夜間救急患者さんで多いのが中毒のワンちゃん達です。

 

 皆さん犬、猫の中毒というと何を思い浮かばれるでしょうか。

 ネギ中毒、チョコレート中毒。

 どこかこの辺が一般的かもしれません。

 

 当院でもネギ中毒が最も多く来られるのですが、直接ネギをあげる方はまずいらっしゃいません。

 

 たとえばアスパラ、ラッキョ、ニンニクなどもネギと同等の毒物ということになります。

 またネギの毒は火を通しても壊れない毒なので、玉ねぎ、ネギと一緒に煮たお肉、野菜ももちろん駄目(すき焼きのお肉、カレーのジャガイモなど)。

 ケチャップに入ってる粒々も玉ねぎです。

 ツナ缶やソーセージなどの表記に書かれている野菜エキスというものにもネギ類が成分として入っていることが多いようです。

 ラーメンなどのだしは玉ねぎやトンコツがぐつぐつ煮込まれていたりしますし、チャーシューのたれ、焼き肉のたれなども同様。

 どうです?結構身近な所に毒物ってたくさんあると思いませんか?

 

 他にもグレープフルーツやブドウ(レーズン)などの果物、マカダミアナッツなどのナッツ類、キシリトールなどでの中毒もあります。

 

 特に体の小さい犬種はほんの少しの量でも症状が出やすく、同じニンニク一片でも、30kgの大型犬と、1kgくらいしかないチワワさんとでは、単純計算で30倍の毒量の違いということになります。

 

 また高齢なワンちゃんも中毒症状が出やすく、肝臓も腎臓も元気だった6歳のころには耐えられても、13歳になれば解毒しきれなかったり、ということも多いのです。

 

 中毒の時によく飼い主さんが口にする3つの言葉があります。

 

1. 与えたのはほんのちょっとですよ。

2. 前食べたときは大丈夫でしたよ。

3. 昔飼っていた犬は味噌汁かけたご飯でも15歳まで生きましたよ。

 

 人間の目から見た「ちょっと」は、本当にそのワンちゃんの体に対して「ちょっと」でしょうか。

 去年から今年、本当にワンちゃんの解毒能力は変わらないままなのでしょうか。

 中、大型犬が多かった今と超小型犬がほとんどの現代、本当に同列に扱ってよいのでしょうか。

 

 もし何かを間違って食べてしまったときは、

 うちのこは以前食べても大丈夫だった、という過去の経験にすがるのではなく、

 中毒症状を起こした子もいるそうな、という最悪の事態を想定して行動すべきなのかもしれません。

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(富山県 / 獣医)
アレス動物医療センター センター長

地域に密着したワンランク上のホームドクターを

アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。

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