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『プラットフォーム戦略』について

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皆様、

こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

本日は、現在驚異的に売れています、『プラットフォーム戦略 作者: 平野 敦士 カールさん、出版社/メーカー: 東洋経済新報社』について読んだ感想を述べます。

 

私自身も、会社勤務時に、ある業界・市場でプラットフォーム作りを行いました。
これは自社にとって有利な開発環境を作ると共に、自社だけでなく競合企業も加えた仕組み(一種のフォーラム)を作ることで顧客に安心して買ってもらえるようにする為のものでした。

競合他社にフォーラム設立の提案を行う時に、業界全体の利益と各参加企業の利益を明確に書いた資料を持っていきました。
当初、全く相手にされませんでしたが、粘り強く交渉し、何とか設立にこぎつけました。
今で言う“連携:アライアンス”活動を行った結果です。

平野さんは、お財布携帯を実現した人として知られており、この体験も含めて『プラットフォーム戦略』を書かれています。
非常に具体的、かつ、体系化されて書かれており、大変わかりやすい内容になっています。


私が、共感し、重要と感じた部分は、以下の通りです。

◆プラットフォームの5つの機能について明確に分類し、定義づけられています。
1.マッチング機能
2.コスト削減機能
3.検索コストの低減機能(ブランディング・集客機能)
4.コミュニティ形成による外部ネットワーク効果・機能
5.三角プリズム機能

◆勝つためのプラットフォーム構築の9つのフレームワークが具体的に書かれています。
1.事業ドメインの決定
2.ターゲットとなるグループの特定
3.プラットフォーム上の参加者が活発に交流する仕組みの作成
4.キラーコンテンツなどの用意
5.価格戦略、ビジネスモデルの構築
6.価格以外の魅力の提供
7.プラットフォームの管理・統治
8.独占禁止法、特許侵害などの規制に対する注意
9.常に進化するための戦略と実行

◆プラットフォームの横暴にどう対処すべきか
特に重要と感じたのは、以下の事項です。
1.自社でプラットフォームを構築するか、他社のプラットフォーム参加するかしないか、の判断するための手順
2.プラットフォーム構築時の契約上検討すべき事項
3.巨大化したプラットフォームには「オープンプラットフォーム」での対抗
⇒具体的には、グーグルの携帯電話用OSであるアンドロイドなどが、「オープンプラットフォーム」の例として書かれています。

◆日本企業復活への処方箋
残念ながら、現在、日本企業が作ったグローバルなプラットフォームはありません。
平野さんは、日本企業がどう対処すべきか、何故プラットフォームを作れなかったのかについて、事例を出しています。

例えば、ソニーはプレイステーションでプラットフォームを構築しましたが、その後、アップルの音楽配信事業に負けました。平野さんは、ソニーはプレイステーションの成功体験を生かさなかったと言っています。

日本企業に不足しているのは、グローバルに考えてどう儲けるかの仕組みづくりが出来ない点だと言われています。
この事に共感・同意します。


ものづくりをコツコツ行っていれば、企業が成功する時代は終わったと考えています。
国内市場だけで国内の競合他社と戦っている時は、それで良かったのですが、今は、海外企業と国内だけでなく海外市場で戦っていかないと生き残れません。

良い技術があっても、事業が成功しなければ何の意味もありません。

他社と連携して、グローバル市場で事業活動することが成功の要因の一つになります。
特に中小企業は、単独で行う事業活動には限界があります。連携が重要です。

私の経営支援活動の一つに、連携があります。
平野さんの本を読んで、その重要性を再確認しました。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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