加藤幸彦(エス)です。
お住まいになっているお施主さんから、2階の音がよく響いて通る気がする、とメールをいただきました。
住宅で2階リビングを採用する場合、よくこういう声を頂きます。
・・
エスの住宅では、屋根の形を「片ながれ」として、内部の天井をそれに合わせた「斜め天井」にすることが多い。
そして、その屋根の形状にあわせて、内部の天井面を斜めにします。
そうすることで、メリハリのある大きな空間が実現します。
天井の高さは、
低いところでは2mちょっと。
高いところでは最低でも3m以上。4mくらいになるケースもあります。
ただガランと大きな空間ではなくて、メリハリのある大きな空間。
それは「2階」だからこそ実現可能です。
斜めの大きなボリュームをもった空間(リビング)には、さまざまな利点(メリット)があります。
そのひとつが、「音響」。
原則的に、空間が大きいほど、音の残響時間は長くなります。
そして、室内の壁や天井の角度は、残響効果に大きな影響を及ぼします。
この「斜め天井」のある大空間リビングでは、
適度な残響を得ると同時に、あまり気持ちのよくない「フラッターエコー」を抑制する効果があります。
さらに、
天井や壁、床の吸音性を考慮して素材選びをすることによって残響効果を微妙に調整して、気持ちのいい「音」を得るのです。
音楽や映画が気持ちよく楽しめるリビング。
それは、2階リビングの醍醐味のひとつですね。
このコラムの執筆専門家
- 加藤 幸彦
- (東京都 / 建築家)
- 一級建築士事務所エス 代表
テーマは「環境的居住空間」「小さな家」「リノベーション」。
建築の価値観が大きく転換しつつある今、社会的価値観とクライアントの個性を同時に重視し、「美しい空間デザイン」がどうあるべきかを常に問いながら設計活動をおこなっています。
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