加藤幸彦(エス)です。
エスでは、「十分に時間をかけたプランづくり」をあえて心掛けています。
特に工期を急いでいない場合、通常、具体的な設計図づくりが本格化するまでの約2ヶ月間を「プランの検討」にかけています。(小さい住宅は、もう少し短期間なこともあります)
そのワケは、
多様な価値観の中で、建主さんと設計者が、同じイメージと価値観を共有することを重要視することがまず挙げられます。
住宅の設計は、とても特殊なものだと僕は思っています。
単なるクライアントとデザイナーの関係を乗り越えて、両者が心を開いて信頼しあうことができなければ、決して良い住宅は生まれないと思うからです。
そのためには、沢山の雑談と、少し長い時間が必要なのです。
住宅は、「作品」です。
作者は、建主さんと設計者。
共同でデザインするものです。
建主さんは、これまでの人生で得たリソースと、これからの人生に抱くイメージの全てを頑張って掘り起こす。
設計者は、その「掘り起こし作業」のファシリテーションを行ない、リソースの整理と編集によってデザインを組み立てる。...
エスが、「住宅設計のワークショップ手法」として実践するやり方です。
ですから、
エスの住宅設計のプロセスにおいては、提案プランは、時間を追って目まぐるしく姿を変えます。
良いプランだな..と思っても、何度も検証して簡単には妥協せず、もっと良いプランを考える。
「ずいぶん時間が掛かっちゃいましたね!」
プランが最終段階に達したとき、僕らはお互いにそう言いあいます。
でも、ぜんぜんムダな時間を過ごした..という感覚はないはずです。
そして、見逃せない「気付き」を誘発するためには、時間が必要だったことがそのとき実感できます。
・・
エスの事例サイトhttp://open-g.net/press/では、過去作品の設計プロセスの一部を公開しています。
そこでは、驚くほどに形を変えるプランの数々を見ていただけると思います。
どうぞ、ゆっくりご覧になってください。
エスの事例サイト「プチ庭・中庭・庭・屋上」。
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エスの公式WEBSITE
このコラムの執筆専門家
- 加藤 幸彦
- (東京都 / 建築家)
- 一級建築士事務所エス 代表
テーマは「環境的居住空間」「小さな家」「リノベーション」。
建築の価値観が大きく転換しつつある今、社会的価値観とクライアントの個性を同時に重視し、「美しい空間デザイン」がどうあるべきかを常に問いながら設計活動をおこなっています。
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エスの住宅設計体験版。短時間で実際にプランを作ってみる一般家族向けのワークショップです。
- 料金
- 4,858円
多くの住宅設計実績とプランづくり教室の経験をもとにした、一般家族向けの住宅設計プチ・ワークショップです。
エス・加藤幸彦が通常業務でおこなうワークショップ手法の設計を濃縮シミュレーション体験できます。
条件とイメージをディスカッションして、その場で実際にラフプランを作成します。(一家族ごと開催、予約制です。)
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