遺言について相談したい人と相談を受けた専門家、
両者の見解を埋めるのに役に立つ「あるツール」とは何か?
お気づきになった方もいらっしゃると思いますが、
それは「エンディング・ノート」と呼ばれる出版物です。
書店や文具店などでさまざまな名称で市販されていますが、
おおよそ中身は同じような形になっていると思います。
エンディング・ノートは、一般的には自分の生い立ちや思い出、
もしもの時の医療や介護、葬儀の希望や連絡先の範囲、
あるいは家族へのメッセージなどを書き残すことを目的とした
ノートのことをいいます。
また上記のような私的な記録簿のようなものの他に
遺言のように財産の所在や分け方を記すようなものもあります。
前回でも触れましたが、
相続・遺言のサポートを業務とされている方々の多くは、
相談された方やご家族の事情や法律・税務などを総合的に考えて
あらゆるサポートをするのではないかと思います。
しかし専門家の中でもいろいろな考え方を持つ方がいますし、
お互いに円滑なコミュニケーションがないままに作業を終えて、
遺された家族が困惑してしまう場合もあるかもしれません。
そうした心配を未然に解消する方法として、遺言を書く前に、
まずエンディング・ノートを書くことをおすすめします。
遺言ではないのでそれ自体に法的な効力はありませんが、
そうはいってもエンディング・ノートは自分の人生の記録や
家族への思いを遺すにもとても便利なツールとなります。
あなたの思いを形にする二つのツール、
遺言とエンディング・ノートをぜひご活用ください。
(この項おわり)
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