マンションと一戸建て、
同じ住宅であっても、全く違った住宅形態であること。
今回は、この点について掘り下げてお話したいと思います。
先ず、マンションが一戸建てよりも良いと思われる点。
どんなことがあると思いますか?
・戸建と比べると立地のよい場所にあることが多い。
・建物が強固である。
・セキュリティがしっかりしている。
・多目的な共用施設がある。
・自分自身にて家を管理しなくてよい。
まだ、まだ、あると思います。
では、今回は、「自分自身にて家を管理しなくてよい」と
いう点に、着目してみたいと思います。
「管理」
これが、マンションと一戸建ての住宅形態の違いの1つです。
一戸建ては 「個人管理」
マンションは「集団管理」
「個人」か「集団」其々、善し悪しがあります。
「個人」の場合、
<良い点>
何でも自分の判断で決められる自由がある。
<悪い点>
全て自己管理となり負担が大きい。
「集団」の場合
<良い点>
団体という大きな力により管理委託ができる。
<悪い点>
自分だけでは、どうにもならない。
マンションには、「集団=管理組合」という強さが、
月々支払う管理費により、マンション全体の管理の手間が省けるのです。
共用部の清掃や建物の長期修繕計画もその1つです。
これは、マンションのとても良いところです。
しかし、観点を変えると、
「管理業務委託をしているだけ」と言えます。
また、委託という点で、
どうしても任せっきりになりがちです。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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これが、マンションへの意識の低下として起こりやすい要因でもあります。
マンションは、専有部だけが、所有ではありませんよね。
敷地、建物は共有ではありますが、所有です。
マンションは大きな建物の中に、各部屋が配置されている。
そして、建物が健全に維持できなければ、
各部屋も健全に維持できないのです。
「管理会社がきちんと管理してくれる。」
もちろん、その通りです。
しかし、管理会社としては、たくさんのマンション中のひとつにすぎません。
でも、住民にとっては、かけがえのない「ひとつ」のはずですよね。
「マンションは、自分ひとりではどうにもならない。」
・屋根から雨漏りがした、
→でも、最上階でないから関係ない。
・エレベーターが故障した、
→でも、1階住戸なので関係ない。
これは成り立ちません。
「自分には関係がない。」これでは、いけません。
どんな状況においても、みんなでマンションを守る。
この意識が大切です。
マンションを購入するということは「運命共同体」のようなものなのです。
現在、コミュニティが希薄な時代、
その中で、たくさんのマンションがある。
「マンション管理にもっとも大切なコミュニティ」
これを形成することができるか、
これからのマンションの大きな課題でもあります。
「マンションに住む」
長い将来にわたり、健全なマンション。
これには、住民同士のコミュニティが必要です。
自分自身の資産を守ることにもつながります。
しかし、残念ながら、「コミュニティをつくろう!」といっても、
簡単に構成できるものではありません。
でも、ひとり、ひとりがマンションを意識することはできますよね。
ひとり、ひとりが意識することで、
きっとよい、コミュニティが形成されていくはずです。
「マンション購入は運命共同体である」
心の片隅にでも置いておいてくださいね。
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