- 佐藤 昭一
- NICECHOICE 佐藤税理士事務所
- 東京都
- 税理士
対象:税金
500万円まで贈与税の非課税財産となりました。
平成23年の非課税枠は1000万円です。
平成23年の1000万円非課税枠の活用方法はこちらをご確認下さい。
平成21年6月19日の国会により、追加経済対策の税制改正法案が成立しました。
贈与税の特例である住宅取得等資金贈与の非課税500万円について平成21年1月1日以降の贈与について遡って適用されることとなりました。
法律も出来上がり、その全貌がわかりましたので、再度取り上げてみます。
今回の贈与税の特例は、平成21年と22年の間で、住宅を取得するための資金の贈与を親子間、祖父母と孫間の間で贈与を受けた場合には、2年間合計で500万円までは、贈与税の非課税財産としますよという特例です。
住宅を取得するための資金の贈与ですから、住宅ローンの返済資金の贈与や土地の取得(建物と同時の取得は可)の資金に対する贈与には適用はありません。
また、取得する建物も床面積が50平方メートル以上であること、木造戸建等は築20年以内、マンションなどの鉄筋造りの建物は築25年以内である必要があります。
さらに、資金の贈与を受けた年の翌年3月15日までに建物の引き渡しを受け、遅くとも翌年12月31日までに引っ越しをして住まないといけません。
新築マンションで契約から完成まで1年以上かかる場合には、上記のスケジュール通りに入居できるか等を検討し、贈与を受ける時期に注意する必要があります。
今回の特例は、相続時精算課税と異なり、贈与を受ける人(財産をもらう人)単位で2年間で住宅取得等資金を500万円まで非課税となります。
つまり、父から500万円、母から300万円の合計800万円の住宅取得等資金の贈与を受けたとしても、非課税となるのは、合計500万円までとなります。
父から平成21年に300万円、平成22年に400万円の住宅取得等資金の贈与を受けたとしても、非課税となるのは、合計500万円までとなります。
住宅取得等資金が非課税の贈与資産となったため、この特例と相続時精算課税の特例を同時適用受けることが可能となりました。
これらの結果、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の特例の適用を考える順序は、次のようになりました。
1.まずは、住宅取得等資金贈与の非課税(500万円)の特例を使用できるか判断し、使用できるのであれば必ず使用する。
2.500万円超610万円以内の住宅取得等資金贈与を受けている場合には、年110万円までは基礎控除により課税されないため、贈与税の暦年課税と住宅取得等資金贈与の非課税を併用する。
3.610万円を超える住宅取得等資金贈与を受けている場合には、暦年課税と相続時精算課税のどちらが有利かを検討して、500万円までは、住宅取得等資金贈与の特例の適用を受け、500万円を超える部分について、暦年課税か相続時精算課税の制度を利用する。
という順番で判断をしていきます。
なお、住宅取得等資金贈与の非課税の特例の適用を受けるためには、一定の書類(住民票や戸籍謄本や物件の登記事項全部証明書などが予想されます)を添付した''贈与税の確定申告書を贈与を受けた日の
翌年2月1日から3月15日までの間に申告する必要があります''。
結果として贈与税がかからない場合でも、特例の適用を受ける場合には、申告が必要となりますのでご注意ください。
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