- 前田 紳詞
- 代表取締役
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
リーマン破たん混乱の夜
リーマン破たんで波乱の15日(月)、夜はニューヨーカーの方からディナーパーティーにご招待されていました。
世界的に有名なP・F・ドラッカーの本「理想企業を求めて」を書かれたエリザベス・イーダス・ハイムさんです。
同書は世界各国で印刷され日本でもビジネス書部門でベストセラーになりました。
当初は参加者10名をご自宅にご招待ということだったのですが、直前になってお気に入りのレストランにご招待されることになりました。先方はニューヨーク・ドラッカー学会から2名、エコノミスト2名・学者1名の計5名ということ。
お店はいかにもゴージャスな感じのお店です。後で分かりましたが3つ星レストランでした。
個室が予約してあり先方合わせて17名の夕食会、シーフードのコースでした。前菜はヒラメをマリネにしたもの。日本人のお客さんを考えてか醤油が隠し味で海藻を小さなあられが使ってある料理は絶品。日本でも食べたことのない味です。
金融危機についてのディスカッション
当日、エコノミストの方々はリーマンショックで来れなくなったとのことでした。
宴席で話題にしたのは、リーマンショックについてでした。
日本でこういった話題を宴会ではあまりしません。政治や経済の話題は盛り上がらないからです。
ところがアメリカの方々はまじめに話をします。しかも日本では、単なる政治批判とか茶化した話が多いのですが、アメリカの方々、
問題の本質は何か?
ということをまじめに議論しています。
今回の問題に対して、
ではどうすればよいか!
という点まで議論がいきます。エリザベスさんは”ドラッカーの考え”としてはどう対処すればよいかを述べています。
アメリカでは個々の人たちが国家的問題に対して議論をします。民主主義とはこういうものだと思います。
日本ではお上にすべて任せて自分たちで問題に対処しようという考えがないのが問題です。
滞在中、リーマンブラザーズからAIGと金融機関破綻を目の当たりにしました。
国民がこれについてチャンと関心をもってどう対処していくかを考えているから、正しい対応ができるかどうかは別にして迅速な対応を政府がとれます。
これが
”アメリカ社会の強み”
です。
私も、日本人として意見を求められました。私としては、
1・今回の流れは正に20年前バブル崩壊で日本人が経験したことと同じことが起きていること
2.日本と違うのは政府の対応が大変早いということ。日本はリスクを恐れてすべて先送りにして対応が遅れたため「失われた10年」を生み出したこと
を説明しました。
アメリカ人にとって不思議な国 「日本」
日本では政府とかいろんな社会的機関に対して国民の信頼がないことを話をしたらかなり驚かされました。
どんな機関を信用しているのかと聞かれ、
” 何もない”と答えると
”そんなバカな”という反応です。
マスコミはどうか?と聞かれても
「マスコミも100%信用できない」
と、マスコミの友人が返答。
この背景として日本人は皆、歴史的にずっとお上に従って生きてきて自分たちで考えることを知らないことを説明、これを少しでも変えようと、個人的にはいろんな勉強会を開催してていることを説明しました。
経済だけでなく文化や歴史を学び、”行動すること”の重要性
夕食会始まる前はどうなるかと思いましたが、だんだん皆さん打ち解けあい、最後に日本から持ってきたプレゼントを贈呈しました。
和手ぬぐいとタペストリー、エリザベスさんには入手困難な「ドラッカー日本画コレクション集」、「日本画対決集」という画集です。大変感動されました。
「ドラッカーのマネジメントや経済を勉強することは大切です。しかしそれだけでなく本質を学ぶにはその国が持つ芸術や歴史・文化といったことを学ぶことが重要です。」
「勉強だけでなく行動することが大切です」
エリザベスさんがドラッカーから学んだことです。
私も今回、同じことを学ぶことができました。