このコラムでは、事業計画のタイトルのもとに''事業計画をどのようにして作成していくの''、主要ポイントをシリーズ化
して以下の項目について説明していきます。
今回は、その第4回目として、"詳細事業計画を書くポイント"について説明いたします。
詳細事業計画には、以下の項目が含まれます。
(1)対象市場の見方・認識
(2)営業・販売計画
(3)広告・宣伝計画
(4)人員計画
(5)財務計画
起業・創業した事業を立ち上げ:継続していくには、売上の確保・集客が必須となります。
中小企業庁が毎年発表しています中小企業白書によりますと、ベンチャーを含む中小企業の廃業率が開業率を上回っていま
す。
廃業の最も大きな原因は、売上げの減少・確保が困難になります。
つまり集客が難しい実態があります。
そこで、このコラムでは、上記(1)〜(3)の項目に焦点をあてて説明していきます。
(1)対象市場の見方・認識
対象市場を見るときに、事業計画の観点からは下記の切り口で書き出します。
A.市場認識:対象市場を具体的に記述する
B.対象市場を数値化する(市場規模の算出)
C.新規性・差異化を明確化する
A.市場認識:対象市場を具体的に記述する
可能な限り、具体的に対象市場や顧客象を書き出して、なぜこの事業を行うか、お客にとって受け入れられるポイントは何か、
競合他社に対する差異化のポイントは何か、などの点を箇条書きしていきます。
・日本国内で事業する場合、日本全体の市場の動きは、たとえば、右上がり・横ばい・右下がりか、あるいは、市場規模はxx
円、yy台などの切り口で全体像を書き出します。
・次に、競合他社の商品やサービスなどの事業内容と強み・弱みなどの分析や仮定を書き出します。
・上記二つのポイントから、起業家が市場参入する場合の強み・弱み・課題を書き出します。
その結果、''私はこの製品やサービスをどの市場のどのような顧客に、幾らで販売・提供すれば、このくらいのマーケットシェ
アや売上金額を確保できると''とします。
この記述内容が、市場認識となります。
B.対象市場を数値化する(市場規模の算出)
ここでは、以下の項目について明確に書き出します。
・私の事業のお客様を具体的に詳細に書きます。
たとえば、個人がお客の場合は、ある地域のzz県とかww市のvvvというように地域、性別、年齢、所得層
などで細分化して特定します。
相手が、企業の場合は、会社規模、業種、地域、などで細分化して特定します。
上記AおよびBの記述内容が、具体的で詳細なほど、起業家にとって対象市場やお客様像が明確になり、数値で表現すると具体性
が向上し、事業成功の可能性が高くなります。
C.新規性・差異化を明確化する
上記B項で明確化したお客様に販売・提供する商品やサービスの強み・弱みを一覧表で書き出します。
比較する項目は、以下の通りです。
・商品・サービスのコンセプト
・差異化ポイント
・対象顧客
・価格
・コスト
・販路・営業手法
可能であれば、競合他社は最低限でも2社リストアップして自社との間で、上記項目ごとの強み・弱み・課題を書いて一覧表に
まとめます。
これで、自社の強みや弱みが一覧で比較でき、弱みを解決する課題も見えるようになります。
今回は、ここまでとします。
次回は、引き続いて詳細事業計画を書くポイントについて説明いたします。
私のコラム記事についてコメントやご質問があれば、何時でもご連絡ください。お待ちしています。
今後ともよろしくお願い致します。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁
このコラムの執筆専門家
- 山本 雅暁
- (神奈川県 / 経営コンサルタント)
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上
起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。
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