- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
2019年末にはなんと642,000人もの中国人留学生がカナダに存在していました。
どこを見ても、どの学校に行っても、都会でも僻地でも、中国人留学生だらけというのが感想のカナダでした。
(それを上回るインド人留学生が存在するのもお忘れなく)
その中国人留学生が2020年最初の4ヶ月の記録では、すごい!44%も減少したそうです。
Covid-19による制限と、カナダ政府と中国政府との緊迫した関係が理由です。
中国人留学生を始めとする外国人留学生の授業料が経済の大きな部分を占めているカナダには死活問題です。
同じく留学生マネーに頼っていたオーストラリアは更に大規模な中国人留学生減少にあっています。
中国政府がオーストラリアを名指して「アジア人攻撃がひどいオーストラリアには留学しないように」との警告を発したからです。
カナダはHuawei幹部の逮捕、アメリカへの引き渡しをめぐり中国政府から大バッシングを受け、カナダ人2名が逮捕され独房で長期間収監されている事態も解決していません。
中国に大量輸出していたカノーラ油も止まったままです。
しかし、中国はまだカナダを名指しで「留学するな」の警告は発していません。
なぜでしょう。
中国マネーに頼り過ぎていたカナダの教育機関がパニックになっているからかな。
カナダ政府は、このCovid-19下、次々に留学生への寛容な対策を発表しています。
学位取得後の就労ビザへの緩和策。
パンデミック給付金は正式大学留学生にも申請可。
学生ビザ保持者(正式大学の学生のみ)の就労可能時間を無制限に。
「留学生マネーを逃すな!」と一生懸命になってくれるカナダ政府のおかげで、カナダ正式大学留学を目指す私の生徒たちにはプラスがずいぶん増えました。
入学を延期したりの申請にも非常によく対応してくれている大学です。
でも、それが中国人留学生を呼び戻すためだと思うと少々うんざりします。
カナダへの留学生全体数も大幅な減少です。
31%の減少率です。
インドからは29%、韓国は35%、フランス29%、ベトナム19%の減少。
やはり一番お金を落としていた中国人留学生数の激減が顕著です。
日本人留学生は?
数自体微々たるものですので、カナダの留学ニュースにはほとんど日本人留学生は登場しません。
おそらく数字からは中国以上の大きな減少だと思いますが、正式な発表には含まれていません。
特に日本からの高校留学生は大多数が帰国、新しいビザ申請数はわずかだと思います。
また、正式留学ではない語学学校の学生は統計に現れませんので、そのレベルが大多数をしめる日本人留学生の数字には関心がないカナダかも。
語学学校そのものが9割消滅してしまった現在のカナダでは、数の落ち込みどころか、ゼロに限りなく近くなっていてもおかしくないと思います。
正直、中国政府がもっとカナダにブチ切れて(中国人攻撃もひどいですから)「カナダに留学するな」警告を発してくれることを期待しています。
コロナパンデミックが粉々に叩き潰した高校留学を、更に大掃除し、悪質エージェントを排除、受入れ学区の金儲け主義を正すためには、中国人留学生が減ることは大歓迎。
大学留学でも、価値観の異なりすぎる中国人詣でが目にあまった、カナダの大学の姿勢が変わることを期待しています。
1980年代、優秀な日本人の留学生がカナダの大学で大活躍した「本来の留学」の、再来が望めるコロナ後New Normal留学になってほしいものです。
「もともとの優秀な能力」(詳細はコラムをどうぞ)を持ち、特別な目的を叶えるため高校留学する人にも、溢れかえっていた中国人留学生の消えた高校は快適になるでしょうね。
低レベル中国人留学生が消え、低レベル日本人高校留学生が消えるカナダは新しい「英語圏留学」をリード出来るでしょうか。
"Black Lives Matter" は社会全体の基礎に存在するSystematic Racism排除を訴えての運動です。
同様のSystematic Racism は、カナダの受入れ側、特に高校留学受入れ側に存在することも事実です。
"International Student Lives Matter"
__________________________
Canada Club (New Normal 大学・高校留学への準備/Big History Project)
「カナダ高校留学実態2019総集編」eBook ダウンロード
「クリティカルシンキングがわかる」eBookダウンロード
New Normal留学に生き残るための学習サイト UX English
Podcast [カナダにいらっしゃい!]
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
「留学」のコラム
「カナダクラブ」から見た留学:子供を留学させたい親へのNews(2025/01/18 07:01)
「カナダクラブ」から見たカナダ留学:大きく変容する世界とカナダ(2025/01/15 08:01)
日本の「丸暗記教育」とカナダの「経験から学ぶ教育」の違い(2)(2024/09/22 05:09)
日本の「丸暗記教育」とカナダの「経験から学ぶ教育」の違い(1)(2024/09/20 08:09)
カナダのAP制度とは(Advanced Placement)(2024/09/12 10:09)
このコラムに関連するサービス
パンデミック後の留学カウンセリング
- 料金
- 10,000円
コロナパンデミックにより原型を留めないほど変化したNew Normal下での留学への準備サポートを行います。 特に必須の「エッセイ」「クリティカルシンキング」の万全な準備としてカナダと日本を結ぶオンラインコース「カナダクラブ」へのご案内。 30年以上のキャリアを基に日本の優秀な頭脳をカナダで成功に導きます。
このコラムに類似したコラム
カナダコロナ禍高校の現状-読み書き基本能力も学べない高校生 大澤 眞知子 - カナダ留学・クリティカルシンキング専門家(2021/05/18 08:41)
留学の仕組みはわかりませんが、高2からカナダに留学したいです 大澤 眞知子 - カナダ留学・クリティカルシンキング専門家(2021/01/09 05:35)
2020年・バンクーバー 〈留学前に知るべきカナダの現実〉 大澤 眞知子 - カナダ留学・クリティカルシンキング専門家(2020/12/30 11:22)
(10/29)Covidカナダ最新危険情報- 高校留学生は出国するべき 大澤 眞知子 - カナダ留学・クリティカルシンキング専門家(2020/10/30 07:23)
(10/10)カナダCovid最新状況「留学をなめてますか?」 大澤 眞知子 - カナダ留学・クリティカルシンキング専門家(2020/10/11 06:46)