家づくりの教科書18回目 - 対人力・コミュニケーションスキル - 専門家プロファイル

中野 博
株式会社エコライフ研究所 代表取締役
埼玉県
経営コンサルタント

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閲覧数順 2024年04月23日更新

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家づくりの教科書18回目

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  1. スキル・資格
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家づくりの教科書 会話で学ぼう、楽しい家づくり

昨日の常識は今日の非常識!に気がつくか?





「でも、パパ、常識を疑うなんて、普通しないんじゃないの?」


「そうだね、でも、多くの人が信じている常識が間違っている、ということは歴史を勉強すれば、よくあったことだし、常識とまではなっていなくても、みんなと同じ事をすることが必ずしも正しいとは限らないんだ。もっと言えば、大企業がやっていることや政府がしていることもすべて正しいわけではないんだよ。」


「へー、そうなんだ。そういえば、プロ野球も2リーグ制が常識だったけど、変わりそうだしね。学校の先生が生徒をいじめたり、逮捕されていたりしているのも、僕らの常識では考えられないもん。」


「ま、いろんな事が起きているけど、昔から人は間違いや失敗を数々繰り返しながら成長してきたんだよ。住宅の問題も今は常識が変わろうとしているんだ。さっき話した、塩化ビニールクロスは戦後少し経ってから常識になっていたみたいで、どこに行っても大体同じようなクロスが張られているよ。これは、建築業界ではある意味で常識になったため、誰も疑わなかった。ところが、数年前から健康住宅とかエコ住宅の必要性を説く専門家が出てきて、本や雑誌がたくさん出るようになった。また、テレビでもシックハウス症候群(住宅建築に使用する材料が室内の空気を汚染して住民の健康を損なわせている状態)の問題が取り上げられたり、政府もこのシックハウスを少しでも減らそうといくつかの法律を作るようになってきた。」



「あー、怖いよね、シックハウス。私たちは以前の家でなりかけたわよ。」


「たぶん、そうだと思う。住宅以外は何も変わっていないのに、家族の健康状態がこれほど良くなったんだからね。」


「何だか、学校の授業より面白いよ。常識が変わっていくものだとしたら、知らない人は損をしちゃうかもしれないね。」


「損なんてものじゃないよ、被害にあってしまっているんだから。現在、シックハウスで悩んでいる被害者は日本全国で300万人くらい、いるそうだよ。」


「えーそんなにたくさん!」


「でも、パパはもっといると思う。なぜなら、シックハウス対策なんて、まだ全然完備されていないんだし、たとえ、この前の法律によって少しは減ったとしても、それまでの長い間、常識とされていた塩化ビニールクロスをはじめとして数々の有害化学物質を含んだ工業製品(新建材という)で家を作るのが常識だったし、今でもまだまだ使われているんだから、もしかするとみんなが気がついていないだけで、シックハウス症候群になっている人やこれからなる可能性がある人は人口の半分以上の7000万人くらいになっているかもしれない。」


「まさか!」


「あなた、それは大袈裟ではないの?」


「いや、まんざら大袈裟でもないさ。いいかい、僕たちは以前住んでいた家はいわゆる普通の家だけど、同じような家はたくさんあったよね。一軒家の住宅もそうだけど、マンションやアパートなどはもっとひどいんだ。先日、僕は友人の超大型マンションに遊びに行ったんだけど、もう目がちかちかするし、嫌な化学臭はするし、とても長くはいられなかったんだ。彼の新居があるマンションは全部で800世帯が住んでいる。平均4人家族と計算して、ざっと3200名がシックハウス症候群にかかるであろう。しかも、マンションは立地条件やセキュリティや管理体制がウリらしく、室内の空気品質には重点をおいていない。これまで、日本でマンションやアパートがたくさんできているけど、そこに住んでいる住民には、みんなシックハウス症候群の可能性があるんだ。」