
- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- クリティカルシンキング/バイリンガル教育
カナダの新学期が始まり1ヶ月経過。
そろそろ冷酷な現実が見えて来る時期ですね。
親元を離れた未成年には非常に厳しい精神状態でしょう。
なぜ、「死にたいほど辛い」のかを論理的・客観的に分析してみることが必要だと思います。
「とにかく我慢する」は状況好転には結びつかないのが高校留学の残酷なところです。
【質問】
カナダに留学中の高校生です。
いま、死にたいって考えるくらい辛いです。 留学に来た目的も分からなくなっちゃって…。 同じ会社から違う地区に通っている友達は、友達たくさんできて、友達と買い物行ったり楽しそうです。 でも、私は友達も全然できなくて、車がないと買い物が出来ないすごい田舎に来ていて、好きな時に出かけられません。 最初の1.2ヶ月が辛いのは当たり前ですか? 3ヶ月たったら楽になるって言葉が信じられません。
【回答】
親元を離れ、知った人もいない、頼りになる大人もいない外国に来た未成年。
そろそろ「辛い」思いが倍増して出てくる時期でしょうね。
30年近く、カナダにやって来る日本人高校生のSOSに対応したり、勉強についていけない方の支援を行っています。
実に様々な高校生を助けて来ましたよ。
その中には、カナダで頑張り続けた方もいれば、帰国を選んだ方もいます。
それぞれが、それぞれの解決法を探った結果です。
さて、あなたの場合。
1.「辛い」原因を考えてみましょうか。 友達が出来ないことが理由ですか?
それならば、カナダの高校留学自体が無謀でしたね。
カナダは移民の国、世界中からあらゆる人種が集まり暮らしています。
もちろん、日本人を初めアジア人も想像を絶するほどたくさんいます。
特に最近は、中国留学生が増えすぎて大きな問題になっています。
そんな中、日本の学校が白人留学生を迎えてチヤホヤするような環境は全くありません。
日本人など珍しくも何ともないですからね。
むしろ、地元の高校生たちは留学生を避ける傾向があります。
留学生が多すぎることもあり「留学生」というカテゴリーに属する人間と、地元で育ち地元の高校に通うカナダの高校生徒の間にはもともと大きな溝が存在します。
カナダの高校生は、日本の高校生と比べ、経験も豊富、精神年齢も高いです。
そんなカナダの高校生は、英語も満足に使えない留学生とわざわざ友達にはなりません。
余程のきっかけがあるか、或いはあなたの英語が十分Native Speakerの10代高校生と渡り合えるレベルであれば別ですが。
周りで「友達が出来た」ように見える留学生も実は、表面上の付き合いで、家族同士で交流したり、互いの家を行き来したりする親密さにはなっていないと思います。
とりあえず他の留学生と一緒にいるだけなのかも知れないですね。
ということで、「カナダの友達が出来ない!」が理由で落ち込んでいるのなら、この先それが改善される可能性は非常に低いと考えて下さい。
そして、それが相当の精神的打撃であるのなら、早いうちに方向転換をし、「友達を作りに来たのでないから」と頑張るか、帰国しよく知っている日本の高校生の友達関係の中に戻ることをお勧めします。
2.車がないすごい田舎にいて、行動の自由がないことが理由ですか?
それは、最初の学校選びの失敗ですね。
カナダがいかに広い国か、ちょっと都会から離れると車なしではどこにも行けない国だとの認識が必要でしたね。
おそらく「日本人の少ない所」を希望したか、エージェントの口車に乗せられ田舎に来てしまったのではと思います。
ホストの顔色を見ながら送迎を頼み、課外活動にも参加出来ず、学校とホストの家の往復だけの毎日はキツイでしょう。
よくわかりますよ。
留学予定期間は書かれてないのでわかりませんが、後期セメスターで転校するか、来学年で転校するかも選択肢にありますね。
エージェントはおそらくいい顔をしないと思いますが、あなたの交渉次第です。
それでもどうしても我慢出来ないなら、カナダ高校留学の事前調べが失敗したとあきらめて日本に戻ることも選択肢です。
日本の田舎なら自転車で相当の自由がありますからね。
カナダは自転車ではとても無理な広さです。
3.もし、上記1番・2番が理由であれば、3ヶ月経っても6ヶ月経っても状況は変わらないと思います。
あきらめて環境を受け入れても、辛さは改善されることはないでしょう、残念ながら。
4.そうでなく、カナダの高校の授業レベルについていけず困っているのなら、改善策は十分あります。
日本では英語の正式なエッセイの書き方の準備をして来ましたか?
カナダのEnglishコースのレベルがいかに高いか、それへの勉強はして来ましたか?
カナダの高校生が運用するクリティカル・シンキング思考法は知っていますか?
すべてNOであるならば、今からでも遅くないですよ。
何をどう学べば、カナダの高校での毎日が楽になり前に進めるかをアドバイスしますのでご連絡下さい。
(多くの日本人高校生がこの段階で「ほっと」して行ったのをずいぶん見てきました。)
高校の授業で頑張り、良い成績を取り始めると学校での存在感も出来、友達と呼べるカナダの仲間にも近くなりますから。
頑張り、実績を出す留学生には、カナダの良い高校生は興味を持ってくれるはず。
Good Luck!
Canada Club(New Normal 大学・高校留学)
「カナダ高校留学実態総集編」eBook ダウンロード
「クリティカルシンキングがわかる」eBookダウンロード
日本人のためのエッセイ・クリティカルシンキング学習サイト UX English
Podcast [カナダにいらっしゃい!]
このコラムの執筆専門家

- 大澤 眞知子
- (クリティカルシンキング/バイリンガル教育)
- Super World Club 代表
Be Bilingual
カナダ在住。カナダからオンライン講座カナダクラブ提供。留学生へのアカデミックサポート(エッセイ指導)留学希望生へのアカデミック準備 (Reading, writing, エッセイ基本)Critical Thinking指導、最新の理論に基づくBilingual Education特別提供中。
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