「敵国降伏」の教え

　日本経済新聞の歴史小説、池澤夏樹氏の「ワカタケル」を、毎日楽しく読んでいます。日本武尊（やまとたけるのみこと）が日本を統一する話です。頻繁に戦いの場面が出てくるのですが、腕力や武器だけではなく、霊力や情報も勝負を左右するのが面白いです。　

筥崎宮へ行ってまいりました

さて先日、仕事の折に福岡市東区にある筥崎宮（はこざきぐう）へ行ってまいりました。元寇の戦いでは、博多湾に十万ともいわれる元軍の兵士がやってきて、筥崎宮のあたりも戦場になったそうです。神風が吹いて事なきを得たと言われていますが、防塁などの備えや士気の高い兵士の存在もあってのことなのでしょう。

通常だと神社名が書かれている扁額には、

「敵国降伏」と書かれていました。筥崎宮から鳥居を通じて、海の向こうにある元の都である大都（現在の北京）へとにらみを利かせていると言われています。　

「敵国降伏」はどういう意味かと言うと、

「武力ではなく、私たちが持っている人間性で敵の戦意を喪失させて勝ちに導く」という意味なのです。「戦わずして勝つ」という言葉にも近いのかもしれません。　

では、相手よりも人間性で上回るとはどのような状態なのでしょうか。

平たく言えば、

一つは、チームワークが取れていて、関わる全ての方の動きがそろっていることです。

もう一つは、周りの方が、チームを応援しているということです。

一人一人の力がどれだけ優れていても、

自分さえよければよいと考えていたら、スポーツなどの試合では勝てないでしょう。加えて、結果が良かったことを周りの人に威張り散らしていたら、周りの人は応援しようと思わないので、チームは長続きしないでしょう。これらのことは、子どもたちの部活動でも、私たちの仕事においても、同じようなことではないかと感じます。　

日々の暮らしでも、

味方もいればライバルとなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ライバルになる方からも一目置かれるような人間になるべく、日々精進していきたいものです。