- 中野 博
- 株式会社エコライフ研究所 代表取締役
- 埼玉県
- 経営コンサルタント
対象:ビジネススキル
より効果的なスピーチの研究は、古代ギリシャ時代までさかのぼる。B.C.350年前後にアリストテレスは有名な“レトリック”という本を書き、現在ではこのスピーチについて最も優れた本とされているそうだ。
約2350年の時を経た今でも、このスピーチ問題は解決できていない。それほど、スピーチに代表される「人前で話す」ということは古今東西、紀元前より人々を悩ましてきた技術なのであろう。
この本を手にしているあなたは、いま、スピーチをマスターしたいと言う気持ちになっているのではないだろうか。
このコラムシリーズを読めば、少なくとも今までのあなたとは別人になると私は確信している。その理由は、多くのノウハウと練習方法が紹介されているからだ。
私自身も10年前は、今のあなたと同じように迷っていた、「人前であがらずにしっかりと話すにはどうしたらいいのか?」。そう、かつてのギリシャ人だけでなく、世界中の人々と同じように。
人前で話をしなくてはいけなくなった人にはある共通項がある。それは、社会的立場が上がった人か、人に人気が出て頼られている人と言うことである。
少なくとも、「あの人にお願いしよう!」と期待されているに違いない。
この期待感があなたを緊張させるのである。しかし、人は期待されて悪い気はしないもの。少しでも期待にこたえたい、期待以上に良い話がしたい、これこそ本書が目指すものである。
ところで、人前で話すとき、“スピーチ”と“プレゼンテーション”という言葉があるが、この2語の違いは何だろうか。
私たちは、スピーチと言えば政治演説、祝辞、講演や朝礼、会議などでの3分くらいのものなど、より多くの聞き手がいるシーンを連想する。これに対して、プレゼンテーションは、ビジネスシーン、つまり商品・企画説明や技術的・科学的な分野の発表を連想します。
このスピーチとプレゼンテーションの差は人数や場所など違いはあるものの、やはり目的はより多くの人に聞いてもらうことである。
そうであるからこそ、「人前で上手く話す」技術を修得したいのではなかろうか。アメリカ人は小学生のときからこの話す技術を磨いているため、上手い人が多い。いや、スピーチやプレゼン下手は出世や成功の妨げになるため、必死で研究し、自らの技術を磨いているのである。
このコラムシリーズを書く上で、私もアメリカへ飛び数多くの書籍を買い求め読破し、
かつ専門の先生方にも多くのことを学んできた。
このコラムシリーズの中で、そのレシピを散りばめているが、その内容は日本人の私たちにも無理がないものだけを紹介している。もちろん、私自身もそのノウハウを実験してみた。
本来私が試行錯誤してきて、身につけた技術にアメリカで学び、会得したノウハウを集めたものと言える。時間の無いあなたは、このコラムシリーズを何度も読み、基本的な技術をぜひ身につけて欲しい、そうすれば新しい自分に出会えるだろう。
ここで、私もあなたと同じような時代があり、それを乗り越えてきた体験談を少しだけ紹介しよ
う。
(つづく)