- 中野 博
- 株式会社エコライフ研究所 代表取締役
- 埼玉県
- 経営コンサルタント
対象:ビジネススキル
・初体験で快感
当日の朝5時。
いつになく、早く目が覚めてしまった。
と言うよりは前日あまり眠れなかったと言う方が正確であろう。
講演時間まであと、8時間。
こんなときはどうすごしたらいいのか?
こんな時、会場まで持っていける本があればいいのになー、本当にそう思っていた。
講演時間が迫ってくると、のどが渇き、焦りがでてくる。上手く話せるだろうか?失敗したらどうしよう、「お金返せ!」なんて言われないだろうか?会場をちらっと見ると、すでに着席して私のレジュメを読んでいる。
アー今から話すことをそんなに真剣に見ないでください、なんて心でつぶやき、何度も水を飲んだり、トイレに行ったりを繰り返していた。1分前には、人と言う字を手のひらに書き、飲み込むというおまじないもしたが、何の役にも立たなかった(笑)。
よし、聴衆を石ころと思って話そう!と決意し、とうとう壇上に上がった。
ライトがまぶしい、人が大勢だ、しかも年配の大人ばかり、「あー私の顔をみて、なんだこんなに若い奴か!」なんてあなた今思ったでしょう。あーもう、だめだー。
しかし、挨拶をしなかればならない。
「エーただいまご紹介に預かりました中野でございます。」
(こんな話し方普段しないのに、余計緊張してしまった。いかん、手も足も震えてきてしまった。)
「エーただいまより私の発表を致します。」(だめだ、みんな怖い顔しているよー)「それでは、レジュメをご覧ください。」
と、こんな感じでもう今にも倒れそうなくらい緊張していた。私の持ち時間は1時間なのに、
なんと30分で話し終えてしまった。(どうしよう、ここで質問時間にすべきか?上司に助けてくださいよとのサインを送るが、彼は不思議な顔をしてこちらを見ている。)
「それでは、ここまでで質問のある方いらっしゃいますか?」
シーン。
なんだ、誰も質問しないのか?こんな時、どうしたらいいのだろうか、まだ30分もあるよー。
結局、わけが分からないまま、
「では、次に進みます」なんてまだ話が続くことを宣言してしまった、が、ネタ切れしていた。
困った私は、やけくそになり、「これまで話したのは一般的な内容でしたが、資料をご覧になればわかるとおりです。これからは、取材や調査をして気がついた私の考えを発表します。」と言ってしまったのだ。
すると、前列のやさしそうな紳士がうなずいた。何だか、わからないけどうれしくなったので、この講演までにいろいろ考えてきた事を自分の言葉で語り始めた。さすがに、自分の考えだから、レジュメをみずに、会場の人だけを見つめて話を続けた。
すると、どうだろう、なぜか、メモする人やうなずく人が増えているではないか!
これには、驚きだった。なぜ、先ほどと雰囲気が違うんだろう?
こうして、残り30分が経過した。最後に上手くまとめることができなかったが、
今後の方向性についても私見をのべて、挨拶をした。