違法な特許出願の回復が無効理由となるか(第2回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
河野特許事務所 弁理士
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閲覧数順 2024年04月26日更新

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違法な特許出願の回復が無効理由となるか(第2回)

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違法な特許出願の回復が無効理由となるか(第2回)
〜特許無効の抗弁事由〜  河野特許事務所
米国特許判例紹介(第18回)
Aristocrat Tec. et al.,
Plaintiffs-Appellants,
v.
International Game Tech. et al.,
Defendants-Appellees.
                       
                       2008年12月19日 弁理士 河野 英仁
                
 
2.背景
 Aristocrat(以下、原告)とInternational Game Technology(以下、被告)とはスロットマシン等の電子ゲーム機器の分野において競合関係にある。原告は、U.S. Patent No. 7,056,215(以下215特許)を所有している。215特許はスロットマシンに関する技術である。

 原告は1997年7月8日米国に2つの仮特許出願 2を行った。その1年以内に原告はこれら2つの仮出願に基づく優先権を主張し、オーストラリアにPCT出願を行った。PCT出願はその後公開された。図1は出願経過を示す説明図である。


図1 出願経過を示す説明図

 原告は移行期限である2000年1月10日が迫っているにもかかわらず米国特許庁に対し国内移行費を支払っていなかった。仮出願の日から30ヶ月以内に国内移行費を支払わない場合、米国特許法第371条及び規則1.495 3に基づき、特許出願は放棄されるため、USPTOは原告に対し米国国内移行費を支払うよう要求した。


  

(第3回につづく)