（0009） 麻痺するとこうなる・・金持ち令嬢（副社長）が暴走した理由

人を「麻痺」させるのは何か？

皆さん
「ナッツ事件」って知ってますか？

富豪の令嬢でもある大韓航空の副社長（当時）が自社機のファーストクラスに乗った際、
ナッツの出し方に激怒し、飛行機を引き返させた事件です。

その副社長が、裁判で有罪判決を受けました。

（引用始＊）
大韓航空前副社長に懲役１年の実刑 「ナッツ事件」地裁判決
  乗務員のナッツの出し方に激高し、滑走路に向かっていた飛行機を引き返させたなどとして、
  航空保安法の航路変更罪など５つの罪に問われた大韓航空前副社長の趙顕娥（チョ・ヒョナ）被告（40）に対し、
  韓国のソウル西部地裁は12日、懲役１年（求刑懲役３年）の実刑判決を言い渡した。
（引用終＊）
＊日本経済新聞朝刊 2015/2/13

飛行機に乗るとナッツが出されますね。
私もよく客室乗務員の方から頂きます。

この事件が起こった時、BBCのニュースなどで
「ナッツリターン」と報道されていたのをよく憶えています。

というのも、ナッツというこの単語。
誰もが知っている（アーモンドなどの）木の実、という意味の他に
「奇人、変人」とか「ばか者」という意味もあり、
この副社長を揶揄しているように聞こえたのです。

（ちなみに、映画「マンマ・ミーア！」で主人公の母親役をやっていたメリル・ストリープが、
Are you nuts ? と言っていたのも思い出しました）

ところで、この事件。

何が副社長を暴走させてしまったのでしょう？

それは
 ・・・“偉い人”として扱わている自分に「慣れ過ぎてしまった」からではないでしょうか？

上の地位の者として扱われることを「あたりまえのこと」と思い込み、
結果、下の者の気持ちが見えなくなる。

副社長の父親はこの会社の社長。
そう、社長が父で、その娘が副社長なのです。

社長の娘である副社長に誰が逆らうか？

つまり「社員はこの副社長にどう接するか？」
 ・・・言うまでもありません。

人は「自分の日常」を疑いません。
でも、それに慣れ過ぎると「麻痺」します。

あなたは、
あなた自身の日常を「あたりまえ」と思いすぎ「麻痺」してしまっていないですか？

（中沢努 http://www.pensee.co.jp/peculiarity/index.html 「考えるための素材」 0009）

［注］
 この文章は、2015年2月16日にブログ（システムトラブルで現在は消滅）で公開したものを
 本サイトで改めて公開したものです。


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