（0010） なぜ格差が拡がる？ ピケティ、新自由主義、そして・・

ブームが去ったからこそ、考える

ピケティのお蔭か 「格差問題」が再び脚光を浴びています。

彼曰く、 「ｒ＞ｇ」 すなわち 資本収益率（ｒ）が長期的に経済成長率（ｇ）を大きく上回る
と格差が拡がりやすくなるそうです。 （ピケティ「２１世紀の資本」）

経済学的にはこういう見方もできるんですね。

以前「新自由主義」という言葉が世間を賑わせましたし、
学問的にいろいろな分析・検討が行われてきました。

ところで皆さんは、なぜ「格差が拡がる」と思いますか？

 ◆  Ａさん「ピケティの言うように ｒ＞ｇになるからだ！」
 ◆  Ｂさん「何を言う、新自由主義が蔓延るからだ！」
 ◆  Ｃさん「いやいや、資本主義である以上、格差は必然だ！」

いろいろな意見があります。
そして、いずれも「確かにそうかもしれない」と思わせます。

でも、よく考えてみると・・・本当でしょうか？

「ｒ＞ｇ」や「新自由主義」が格差を拡げる真犯人なのでしょうか？

実は私、上の３人とは違う角度からこの問題を見ています。

それは・・・
 ◆  ｒ＞ｇを作り出すのは「誰」か？
 ◆  新自由主義を利用し、一旗あげるのは「誰」か？
 ◆  資本主義を活用し、経済行為を行うのは「誰」か？

特定の人物を指したり、特定の集団を非難しているのではありません。

「格差拡大の原因を主義や仕組みに見出し、或いは見出させようとする空気」に
違和感を覚えるのです。

【 格差を大きくしている根源は「主義」でもなく、「システム」でもない 】

【 格差を拡大させているのは、主義を利用する「人間」であり、システムを動かす「人間」だ 】
・・・と、私は考えるのです。

みなさんはどう思いますか？

（中沢努 http://www.pensee.co.jp/peculiarity/index.html 「考えるための素材」 0010）

［注］
 この文章は、2015年2月23日にブログ（システムトラブルで現在は消滅）で公開したものを
 本サイトで改めて公開したものです。


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