- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
この柱、実は50000円で買えた。丸太を天然で乾燥させ、更に乾燥機にかけたものを製材し、プレーナーという機械で仕上げる。断面寸法は170ミリ。長さは4.5メートルの柱が50000円で手に入るにはわけがある。
普通に街の材木屋さんに探しに言った場合は、材木屋さんの営業マンがまず問屋さんに行く。問屋さんでは付き合いのある製材所やメーカーに問い合わせ、こちらの指定した寸法の材木を探す。しかも埼玉県の場合はそれほど有名な産地が無い。大手材木問屋はたいていの場合このような注文に対し、木曽ヒノキや東北の杉を勧めてくる。
たまたまあったものを仕入れ、材木屋さんに卸す。それを購入するわけだが、この重層構造に頼って物を仕入れるとどうしても高くなってしまう。
考えてみて欲しい。材木屋さんの営業マンの給料、問屋さんの社員の給料、木曽ヒノキを運んでくる運賃、そのようなものが全て加算されてしまうのである。それぞれが一日の労働をしたとして、それが2万円だったとしても5万円が簡単に10万円になってしまう。
今回、この柱は埼玉県の飯能にある森林組合が運営するフォレスト西川という製材所で購入した。森林組合だから丸太の有かを知っている。あそこにあのサイズの丸太があるぞということでそれを持ってきて、乾燥させて、製材する。それをダイレクトに運搬するのである。無駄な経費はどこにもかかっていない。
さらに、この柱を安くするコツがもうひとつある。それは次回お話しよう。