取締役の報酬 (4) - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

後藤 義弘
代表取締役
社会保険労務士

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年12月13日更新

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取締役の報酬 (4)

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Q&A番外編 報酬・年俸制
【テーマ】
任期途中の役員報酬減額 〜法人税法からのアプローチ〜

【関連Q&A】
http://profile.ne.jp/pf/ysc-kaigyou/qa/detail/1765

最後に法人税法上の視点から補足しておきましょう。

通常役員報酬の変更がある場合は(定時)株主総会決議を経ることになります。
こうしたサイクルで報酬額を変更する場合はいいのですが、問題は

  事業年度途中で減額 

する場合です。
「役員報酬」は法人税法上一事業年度中いわゆる「定時同額」といい決まった額だけが経費として認められることになっています。 したがって事業年度途中の報酬減額は原則認められません。

例えば、よくあるパターンで4〜3月を事業年度とする会社が6月の株主総会決議で役員報酬の減額が実施された場合、これも厳密に言えば事業年度途中の減額にあたりそうですが、この場合は決議後年度を通じ「同額」が確保されれば「定時同額」と認められ損金算入に関する問題は生じないでしょう。 

問題となるのは、こうした通常のプロセスから離れたイレギュラーな減額要因が生じた、例えば「役職変更」や「業績悪化」等による(今回のQ&Aのような)役員の

  任期途中 かつ 事業年度途中

の減額の可能性です。
この場合もやはり株主総会決議が必要となりますが、この減額が例外的に認められるためには「やむを得ない理由」が要求され、このやむを得なさが吟味されることになるでしょう。 しかしこのあたりの解釈については(「増額」ケースも含め)まだ法改正後間もなく、具体的な行政解釈もまだ出ていない状況なので何とも言えません。 ひとまず法の趣旨からも、業績の著しい悪化のような経営上の高度な必要性がない限り、定時同額の原則を踏襲する運用になるのではないでしょうか。