住宅保証会社は、住宅建設資金を確保する為債権を発行します。証券会社がこれを購入し、小口の証券として世界各国にばら撒きます。元金返済を据え置く為、一般の証券より金利が良いのでハイリターンになりますが、反面ハイリスクも伴います。低所得者向けだから、住宅購入者が返済不能になりますと証券は紙切れ同然になります。そのリスクをヘッジする為、その証券には保険がつきました。こうすれば安心なので、証券は飛ぶように売れました。潤沢な資金を得た住宅保証会社は、その追い風に乗ってどんどん低所得者向けの家を建て売りさばいていきます。
さて元金据え置き期間が過ぎた現在、景気はどうなっているでしょう。国民は、返済できなければ売れば良いと聞かされていますから当然の様に売りに出します。それが一斉に起こったため、需要と供給のバランスが崩れて不動産が暴落し、アメリカ版のバブルがはじけたのです。証券を発行したリーマンブラザースは倒産し、保険をつけたAIGも国家から緊急支援を受けるハメになってしまいました。
返済できる目途も無く、買える条件にあるから買ってしまえと云う見識のなさも問題ですが、これは無知と云うより国民性なのでしょうね。可能性があれば、チャレンジしようとする精神の悪い面が出たというところでしょう。
振り返って日本人はどうか?
石橋を叩いてもまだ渡らない、いや渡れない人が多いのです。次回は渡れないメカニズムを書いてみたいと思います。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
06-6714-6693
「●非常識な家の建て方教えます」のコラム
家を建てられない日本人 2(2008/10/28 18:10)