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デート ~恋とはどんなものかしら?~ 身近にいる藪下さん

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デート ~恋とはどんなものかしら?~

番組宣伝を観て、きっとこんなドラマなんだろうな、と思ったそのまんまのドラマでした。

今まで生きてきて一度も恋愛をした事のない理系女子、薮下依子(杏ちゃん)と、
自称高等遊民(ニート)の文学青年、谷口巧(長谷川博己さん)が、

親からそろそろ結婚を考えろ!と言われた事で、結婚相談所を通してデートし、お互い「恋愛感情」が湧かないまま、それでも結婚を前提に交際を続けるうちに、二人の関係が深まっていく(であろう)と言う展開の「新感覚ラブコメディ」です。

確かに、今までのテレビドラマに登場しなかった、価値観を持った主人公たちのドラマと言えるかと思います。

杏ちゃんは、理論的頭脳なためか、恋愛感情と言うものを「理屈に合わない不必要なもの」と考えていて、
でも結婚は単なる制度上の法律的な関係であるから、恋愛感情など無くても、相手の事が好きでなくても結婚は出来るし、それで良いと豪語します。

長谷川さんは、「高等遊民」などと気取ってはいますがすでに35歳。
今まで働いた経験も無く、将来的な展望も無いため、同居している母親に替わる新たな寄生先を求めて、必死に経済的に豊かな女性を求めています。
好きな女性のタイプは「オードリー・ヘップバーン」「原節子」「峯不二子」「メーテル」を合わせて4で割ったような人ですが、現実にはそんな女性はいません。

そんな二人が、横浜を舞台に、初めてデートする所から、ドラマは始まります。

特筆すべきは杏ちゃんのキャラクターです。

毎朝出勤前の、スクーターの点検は、儀式のようにきちんと手順に従って行います。

待ち合わせの時間を決めるのでも、「12時くらいに公園の前」では済まず、「12時きっかりに公園の噴水の周辺、半径1.5メートル以内で」ときっちりしていないといけません。

レストランのテーブルに付くと、テーブル上の塩や砂糖などのビンを、高い方から低い順にきちんと並び替えます。

数学が得意で、特に「素数」への愛が半端ではありません。

ベイブリッジを眺めながら、長谷川さんはロマンティックなコメントを述べますが、杏ちゃんはその橋の構造上優れている点を述べたりします。

毎日の食事も「月曜はお魚の日」とか毎曜日決まっており、帰宅後のお風呂の時間も厳守です。

会話をする中で、黒か白かはっきり物を言いすぎてしまい、相手が怒り出してしまったりします。



私のブログでは度々お話に出てくる、おなじみのBONESの主役、テンペランス博士と、とても似ています。

そう、彼女はおそらくアスペルガー症候群の方をモデルとしたキャラクターなのです。


このドラマを観ている一般的な視聴者は、このキャラをどう思って観ているものなのでしょうか?

珍しい変わったキャラの持ち主?たまにいる生真面目すぎる人?
個性的で面白い人?
コメディですから、多少そのアスペルガーの特徴が大げさになっているし、その特徴を、幾つもをこんなに持ち合わせている方も少ないものでしょうが、どこまでアスペルガーというものを理解しているのかと言うと、多分ほとんどの方は、「アスペルガー」と言うものを知ってはおられないのだろうなと思います。

私も、別にも、区別したり、型にはめようと思ってカテゴライズしたいわけではありません。

ただこのドラマを通して、
「そういう特徴の人がいる」
「それも結構いる」
ということが伝わり、理解が深まれば、アスペルガーの方にとって、少しづつでも「行き易い」世の中になると良いな、と思う次第です。

そして、人とのコミュニケーションが苦手というのも特徴の一つなので、なかなか恋愛に関しても難儀されてしまわれるのです。

私の勝手な想像ですが、制作人の作る上での気持ちにも、そうした意図があるのではないかなと思ったりします。

日本で、いや世界的にも「アスペルガー」への理解が求められていると、私は思っているからです。

ですからコメディ仕立てにして、笑える作りにはなっておりますが、かなり真剣に作られているドラマであり、そうした意味では、ドラマの王道「月9枠」で、アスペルガーやニート問題という現代的な、でもなかなか扱いにくい大きなテーマを孕んだドラマを放送すると言うのは、大きな勝負ではなかったかなと思い、テレビ局のみなさんの志に敬意を示したく思います。



ニートに関しても、「ニート」という言葉が世間に知られるようになり、その当時ニートになっていた人も、すでに中年となり、親御さんも高齢となっています。

親御さんの年金で暮らしていたニートの方たちも、親御さんが亡くなってしまった後、どう生きていけばよいのか?
予想はしていたものの、大きな問題となっています。

また、アスペルガー傾向が高い事が原因で、社会になじめずニートになってしまわれている人も相当数いると思われます。

私も良く、「親が死んだら、どうやって生きていけばいいんだろう。一緒に死んでしまいたい」と言うような悲痛な相談を受ける事があります。
そして先進国の中でも例を見ないほどの日本の「少子化問題」も。
本当は、笑ってなどいられない深刻な社会問題なのですね。




さて、当事者であるアスペルガー傾向がある方がこのドラマを観た時、どのように感じるものなのでしょう?

杏ちゃんを自分と重ねて応援する気持ちになるものでしょうか?

それとも、辛くなってもう観ていられないような気持ちになるでしょうか?



番組の最後に「依子の誕生日まで、あと何日」とカウントダウンが表示されますので、何らかのクライマックスが訪れるのでしょう。

ドラマですから、きっとハッピーな出来事のはず。

できたら、このドラマを通して、何か希望を見出していただけたら良いなぁと願います。



第3話目で、杏ちゃんが出席したお見合いパーティーで、心理カウンセラーと出会うのですが(そのカウンセラーはパーティーの参加者ではない)、そのカウンセラーが、杏ちゃんに理解を示しつつ相談に乗っている途中から、大酒を飲ませてホテルの部屋に連れ込もうとするような人物として描かれていたのは、同じアスペルガーの方の相談を受けるカウンセラーとしては、悲しかったですね。


また何話か視聴させていただいてから、ブログに取り上げてみたいと思います。


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(東京都 / 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー)
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2021年公認心理師(国家資格)取得13年間で1万人以上の相談実績を基に、深く人を理解し心のもつれた糸を解きほぐします。恋愛が出来ない、自己否定感、人と接するのが怖い、夫婦間の亀裂など、人間関係全般、アスペルガーの方の社会適応などのご相談。

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