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【テーマ】
そもそも従業員の給与に年俸制を採用するメリットはあるの?
例えば、年間の給与額を 600万円 とし、月の平均所定労働日数を ''20日''、月の残業時間が ''30時間'' の(管理職等労働時間規制の適用が除外されるもの以外の)一般従業員の給与体系を
(1)年俸制を採用し年俸額を12分割して毎月支給する(賞与込み)
(2)年俸制を採用せず毎月の給与と年2回の賞与を支給する
とし、それぞれ「残業代」・「社会保険料」のコスト負担の観点から両者を比較してみましょう。
(注) 1. 比較の便宜上、「通勤手当」等の諸手当の支給を考慮しません。
2. 「介護保険料」は考慮しません。
3. 「雇用保険料」負担額は両者変わらないため考慮しません。
(1) 年俸制
[年俸額] 600万円
[月額] 50万円
[標準報酬月額] 50万円
(年間残業代)
50万円 ÷ 20日 ÷ 8時間 × 30時間 × 12 = 1,125千円 (A)
(年間社会保険料負担〜会社負担分)
50万円 × { (82+146.42/1,000) ÷2 } ×12 ≒ 685千円 (A')
(2) 非年俸制
[月額給与] 35万円
[賞与] 90万円×2回
[標準報酬月額] 36万円
[標準賞与額] 90万円
(年間残業代)
35万円 ÷ 20日 ÷ 8時間 × 30時間 × 12 ≒ 788千円 (B)
(年間社会保険料負担〜会社負担分)
36万円 × { (82+146.42/1,000) ÷2 } ×12 ≒ 493千円 (B')
180万円 × { (82+146.42/1,000) ÷2 } ≒ 206千円 (B'')
〔差額〕
{ (A)+(A') } −{ (B)+(B')+ (B'’) } ≒ 323千円 (年間)
(次コラムに続く)