
- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
材木屋の倉庫に行って掘り出してきた敷台が届きました。
栗の敷台です。
敷台というのは式台とも書きますが、玄関から玄関ポーチへ降りる際のステップというとわかりやすいでしょうか。
この板は栗の一枚板です。
板は、まだただの板なので、これをきれいに削ってカンナをかけて自然素材のオイルを塗って…と手間暇かかります。
これに対して、カタログから出来合いの式台を選べば、すぐに使えます。
敷台ではありませんが、そんな建材と一緒にアップ写真を撮りました。
右は栗の目。
左が建材の目、こっちは樺(樺)ですね。
板目と柾目の違いはありますがどちらもきれいですね。
でも、この建材の方、裏は…
ベニアを重ねて必要寸法に作り、その上にMDFと言うおがくずのような物を接着剤で固めた物を重ね、最後に木目が印刷された塩化ビニールのシートを貼ればできあがり。
よく分かるようにシートをちょっとめくってはがしてみました。
確かにこれはこれですごい技術なんです。
ただ、やっぱりこういうのはお客様にご説明してちゃんとご理解してもらった上で使わないと、
「どこでも一般的に使われているから」
では、やはり不親切だと思います。
話を最初に戻しますと、ただの板の状態の敷台と、すぐに使える建材の敷台、値段は同じくらいです(もちろん無垢の木の方はピンキリですが)。
取り付けるまでの手間暇をかければやっぱり無垢の板の方が高いです。
でも、何十年も使うんだったら、やっぱりシートが剥がれてこない物の方が良いと思いませんか?
もうひと手間かけて良い物をご提供、それが家造りだと思うのです。
※なお、ティンバーフレーム工法の家については、こちらもご覧下さい。