
- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
前回の続きで、シロアリ消毒について書いてみたいと思います。
シロアリ消毒は、基本的に毒をばらまきます。
シロアリが食べたら死ぬ、というものです。
でも、法律がどんどん厳しくなり、業界では、そのたびに濃度を薄くして対応している現実があります。
現在の薬剤は、実験室内での24時間のシロアリの致死率は100%ではありません。
結果、相変わらず床下には毒をばらまいているにもかかわらず、シロアリにはだんだん効果が薄くなっています。
私はやはり、家は安心して住めなければ、全く意味がないので、外部のデッキなどをのぞいて、家の中(や家の中に空気を通してつながる部分)には、そういった危険な物を使用するべきではないと思っています。
写真で使用しているのは、昨日も書きましたが青森ヒバオイルを原料とする薬。
基本的に無機質のみなので、無臭で無害です。
確かに、家がシロアリに食われたり、腐ってしまってはいけません。
しかしながら、猛毒をこれでもかとまいたり、薬付けの木材で家を造って、仕上げにちょっと合成樹脂で固めた珪藻土を塗って、
「はいっ、自然素材の家です」
というのは、やはり説明責任を果たしていない、家造りに責任を持っていない、と言わざるを得ません。
今回使用のシロアリの薬は、メーカーの内容を信じれば、人には多分無害です。
私自身は絶対無害だと信じているので、自分の子供でも安心と思って写真に登場してもらいました。
ただ、通常使っている毒薬のように5年保証というような物はありません。
その分定期的な点検が重要になります。
このようなメリット・デメリットをご説明した上で消費者に選択してもらうという姿勢が今の建築業界に求められているのだと思います。
※なお、ティンバーフレーム工法の家については、こちらもご覧下さい。