「じゃあ、みんなで片っ端からアイデアを出してちょうだい。テーマは、『お客様にオーダーを冷めないうちに早く届けられるようにする』にはどうしたら良いか?ポイントは、デシャップね。ここが混乱せずに、かつ停滞せずに、正確に流れていくことが大事だよね。」
お客様からのクレームを無くす事は、満足度を下げないために非常に重要なポイントです。しかし、この店では、一気に上がってきたオーダー品のチェックが追いつかないために、客席へのお届けに時間がかかり、結果冷めてしまうという問題が発生していました。
その問題を解決するために、ミーティングの進行をしているスタッフリーダーのAさんは、スタッフに対して解決アイデアの提案を求めたのでした。すると、ホールを担当しているスタッフのEさんが発言しました。
「キッチンが、もっと上手くコントロールしてオーダーを上げてくれれば助かるんだけどな・・・」
ところがその発言に対して、キッチンのGさんが、声を荒げて反論したのです。
「デシャップが混乱するのは、ホールがオーダーが一気に通してしまうからでしょ。こっちは、ホールから送られてきたオーダーを一生懸命作っているんだよ。だったら、ホールもオーダーを一気にハンディターミナルに入力するのは止めてくれないかな。なんか、この問題がキッチンのせいにされているようで、ちょっと気分悪いな・・・」
「何言ってんの?キッチンが悪いなんてひと言も言ってないでしょ。」
「こらあ~2人とも止めなさい!言い合いするのがミーティングじゃないでしょ。みんなで出来る事を考えようと言っているのよ。Gくん、誰もあなたのせいだなんて言ってないのよ。キッチンは本当に良くがんばってるわ。ありがとうね。」
問題の解決策がすぐに見えない時は、議論に参加している人は、ついつい「問題点発生の犯人捜し」をしてしまうことがあります。そんな時は、発言が無意識で誰かの批判に聞こえるような言い方をしてしまうのです。そして、そういうつもりで言っているわけでは無くても、ちょっと自分にしわ寄せが来ているような気がしたら、「言われた、批判された」と感じた人はその発言に対して敏感に反応し反論してしまうのです。
「言える会議」としては、「議論」は奨励されますが、「批判合戦」は、望まれているわけではありません。なので、このような「少し険悪なムード」になったら、すぐに進行役は、仲裁に入ってピリピリ感をおさめねばなりません。
ミーティングの参加者が、積極的に意見が言えなくなる要因の中には、このような「批判をされた」と感じることもあるのです。批判に対する反論は、一見積極的な発言に見えないことも無いのですが、批判合戦は多くの場合「建設的」ではありません。なので、物事の解決には繋がらないのです。
こうしてみると、「言える会議」を実現するには、リーダーの聴く姿勢だけでなく、参加者全員が、会議の目的に向かって前向きな気持ちで参加することが重要であることがわかります。誰かを攻撃したり、それに対して反撃するような雰囲気は、前向きな発言を阻害する要因なので、注意が必要ですね。
このような「会議の目的に向かった前向きな姿勢」を持つ為にどうするのか、については、追々お話ししていきますね。
さて、ミーティングの進行役として、出席者の意見を上手く引き出しながら、解決策を探っているAさんですが、会議になれていないスタッフ達は、残念ながら、前向きな発言をしたくなくなるような、ネガティブな発言を次々としてしまいます。
今度はどんな発言なんでしょう。
続きはまた明日。
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