心に響く名経営者の言葉(PHP研究所2008) - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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閲覧数順 2024年04月26日更新

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心に響く名経営者の言葉(PHP研究所2008)

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雑感 書評
今日は、出たばかりの本を紹介しようと思います。

2008年7月23日に発行された
「決断力と先見力を高める 心に響く名経営者の言葉」
ビジネス哲学研究所編 PHP研究所発行 950円(税別)
を紹介致します。

新書判の本書は、6部構成で、
名言と解説を見開き2ページで書かれた読みやすい構成である。

第1章 ビジネスチャンスのつかみ方    24名
第2章 成功する人のお金の使い方・活かし方 8名
第3章 高いモチベーションを保つには?  28名
第4章 失敗から学ぶ成功学         8名
第5章 人材とは?人生とは?       15名
第6章 企業とは何のために存在するか    6名

実に89名もの経営者の名言を集め、太鼓持ちではなく、
ちょっと辛口のコメントが気を利かせて、味わい深さを加えている。

例えば、一番最初に取り上げられている 井植歳男(三洋電機創設者)では、
「与えられた仕事を命じられたままトレースするのではなく、
自分の持つ知識・能力・技術・アイデアをプラスし、自分の足跡を残せ」
という名言を紹介し、解説では、有名な豊臣秀吉の草履の話を持ち出し、
「現在のビジネスシーンでも、いわれたことをいわれたとおりに
やっているだけでは頭角を現すことはできない」と釘をさす。

また、岩崎弥太郎(三菱財閥の創設者)の話では、
「機会は魚群と同じだ。
はまったからといって網をつくろうとするのでは間に合わぬ」
という名言を紹介する。
岩崎は、武士ではあっても名ばかりの農民の出であったが、
わずかなチャンスを物にし続けて、
現在まで世界に冠たる三菱グループを築きあげた男である。
彼の飛躍のきっかけになった長崎赴任の役職は「下役」、
つまり使い走りだったそうだ。使い走りからチャンスをつかみ、
グラバーや坂本竜馬らと友好を結び、飛躍のきっかけにしたそうである。

このような手垢のついた教訓話も多いが、
今の時代、耳の痛い話も多い。
紀伊国屋書店の創業者、田辺茂一の話は、
「何でも時代のせいにしていれば、そりゃ楽だ」。
今の時代、どこの企業も苦しい経営を強いられていよう。
失敗したときには「タイミングが悪かった」とか、
「時代の読みが甘かった」とか、時代のせいにする言い訳もよく聞かれる。
しかし、本書は、こう言い切るのである。
「本来、事業や計画というのは、時代のニーズやタイミングまでを
推し量って進めるものだ。つまり、タイミングを考えるのも
事業や計画のうちである。それにもかかわらず、失敗の責任を
時代のせいにするのは、ビジネスパーソンとしては「姑息」なのではないか。」と。

そして、本書の名言から、将来ビッグになりたいという若者に向けて
阪急電鉄創設者、小林一三の言葉を送りたい。
「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。
そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」