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村田 英幸
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東京都
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閲覧数順 2017年10月18日更新

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Blog201404、会社法

あると綜合事務所『すらすら図解MBOのしくみ』

『ジョイント・ベンチャー契約の理論と実務』判例タイムズ社

あると綜合事務所『すらすら図解MBOのしくみ』

中央経済社、2012年、本文約160頁。

第1章 MBOの概要

第2章 MBOの形態・目的

第3章 MBOの手続と会社法

第4章 MBOの手続と金融商品取引法

第5章 MBOのファイナンス

第6章 MBOにおける企業価値評価

第7章 MBOの会計・税務

第8章 MBOと相続・事業承継

MBOの法的スキームとして、全部取得条項付種類株式+スクィーズ・アウト(産活法21条の3)、株式交換、現金対価の方法がある。現金対価の場合、税法上、原則として、適格組織再編の要件を満たさない。

本稿では、公開買付けを行った場合の「応募株券の保管」との記載があるが、上場会社では、株券不発行会社とされて、社債、株式等の振替に関する法律により、対抗要件を備えるので、上記記述は間違っている。

本稿では指摘されていないが、以下の点を指摘することができる。

相続税対策として、創業家がいったん株式を上場し、上場株式は時価評価額(市場価格)となるから、相対的に相続税が安くなる。相続後、MBOをして、いわば「買戻し」して、再び、創業家がオーナーとなるという手法がある。なお、創業者が株式を持っている場合には純資産評価額等が基本となり、株式の評価額が相対的に高くなる。また、創業家の持ち株会社は、特定株式保有会社・特定資産保有会社として、相続税評価額が高くなる。

 転換社債型新株予約権付社債という記載があるが、間違いである。会社法では、取得請求権付新株予約権付社債である。なお、今でも、新株予約権のことを「ワラント」と呼ぶ。

 「端株」という記載があるが、間違いである。会社法では、「1株に満たない端数」と呼ぶ。

『ジョイント・ベンチャー契約の理論と実務』判例タイムズ社

2006年、本文約378頁。

理論編のみ読んだ。

ジョイント・ベンチャー契約として、以下の点が問題となる。

・役員の選任、解任

・拒否権

・議決権拘束条項

以上については、種類株式を用いない場合には、債権的効力しかないと解されている。

・株式譲渡制限

・合弁の終了(解散の訴え

・倒産手続(破産、特別清算、民事再生、会社更生)特別清算の検討が抜けている。

論者は種類株式を使わない方法、すなわち、株主間の合意、定款で定める方法で検討している。

しかし、せいぜい損害賠償請求くらいしか救済方法がない。

種類株式を発行すれば、種類株式の内容が会社法でも有効であり、かつ商業登記されるので、第三者の予測を害する可能性が少ない。また、損害賠償請求だけでなく、差止請求(本裁判、仮処分)も可能である。

・役員の選任、解任については、定款で決議要件を加重するだけでなく、累積投票、種類株式を用いる方法が有効である。

・先買権(コール・オプション)については、取得条項付株式、譲渡制限株式の指定買取人として、定めれば十分であろう。

・取得請求権付株式(プル・オプション)

・いずれも、株式譲渡の対価の合理性が必須の問題である。実務的には、むしろ、重要であろう。株式の売買価格の算定方法の合意も、対価がある程度相当である場合に限り、有効であろう。協議が整わなければ、裁判所に価格決定の申立てをする。同申立権の事前放棄をすることが指摘されているが、私見では、非訟事件の裁判を受ける権利の事前放棄として、無効であると解する。

・なお、議決権行使禁止仮処分は、名義だけで実質的な株主ではない場合、株主総会の議事進行が著しく混乱する場合にしか認められないのが実務である。

・株券の処分禁止仮処分・執行官保管の仮処分、株主名簿書換え禁止仮処分は、株式譲受人や株主の債権者からの債権保全のための執行、あるいは、名義だけで実質的な株主ではない場合にしか認められないのが実務である。

・独占禁止法との関係

ジョイント・ベンチャーは、独占禁止法上の問題がある。

企業結合審査では、株式保有・役員兼任などが独占禁止法で明示され、企業結合ガイドラインが問題となる。

市場支配力を形成・維持・強化する場合には、私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法に該当する。

共同研究開発ガイドラインも問題となる。

なお、日本と異なり、アメリカでは業務提携ガイドラインが存在する。