「Aさん、いつもありがとう。あなたの笑顔のお陰で、お店の評判がどんどん良くなっているわ。」
「Bさん、あなたが毎日描いてくれる店頭の黒板POPを見てお店に入ってくるお客様が増えているわ。ありがとう。」
「Cさん、あなたのリーダーシップは、ランチタイムのスタッフの動きを素早く正確にしてくれているわ。ありがとう。」
この店長は、毎日スタッフに対して「スタッフの貢献内容」を具体的かつ感謝を込めて伝えています。
実は、彼女が、そうするようになったのには訳があります。
それは、彼女が店長になってまだ日が浅いときのことでした。あるスタッフが、店長に話があると言って来たのです。
「店長・・・私って、何か役に立てているのでしょうか?なんか、私って、この店には要らない子なんじゃあないかな~」
彼女はビックリしました。このスタッフは、おとなしいので目立たないけれど、まじめにしっかり確実に仕事をするスタッフなので、彼女はずいぶんと信頼を置いていたのです。そんな彼女が「自分は役に立っていない」と言うのです。スタッフの言葉に彼女は、「ええ~そんなことないよ!あなたは充分に役立っているわ。この店の重要な戦力なのよ」
と言ったのですが、スタッフの暗い表情が晴れることはありませんでした。そして、その日以降そのスタッフが店に現れることはなかったのです。
彼女は悩みました。「なぜ?私もあの子を必要としているし、現に役にも立っている。時給も上げてきているのに、なぜそれが伝わらないの?」
そんな彼女の悩みを聞いた上司はこんなアドバイスをしました。「店長。『親の心子知らず』だけれど『子の心親知らず』でもあるもんだよ。それに、自信の無い子ってたくさんいるよ。あなたもかつてはそうだったじゃあないですか。思い出してご覧、自分が新人だった頃のことを・・・」そう言われた彼女は、昔の自分のことを思い出してみたのです。新入社員の頃の自分は、「この会社の理念に共感して、それに少しでも貢献したい」と言う想いで仕事をしていたのでした。しかし、毎日毎日仕事に追われ、叱られ、疲れ・・・だんだんと、自分が役に立っている実感が持てなくなってきた事があったのです。そんな時に、上司からもらった面談でのひと言が、彼女の気持ちを初心に戻してくれたのでした。
「Aさん(この店長のこと)。あなたは、自分が疲れていても、その明るい笑顔で同期入社の社員達を励まし、お店の中では、特に、年配のお客様への丁寧な接客、心のこもった気配りで、たくさんのファンを作っています。あなたの存在はお店を明るくし、売上にも貢献しています。ありがとう。」
彼女は、思い出しました。「そうか、私は自分がどの様に役に立っているかについて、上司から具体的に教えてもらっていたんですよね。だから、自分の存在の価値をちゃんと認識できていたんだわ。でも、今の私はスタッフ達に『具体的』には伝えていない・・・反省だわ・・・」
気がつくとすぐに実行に移す彼女は、その日以来、スタッフ一人一人に対して、認め、ほめるときに「具体的にその価値の内容を伝える」ようにしています。
ひとはその存在や価値を認められたいと言う気持ちが強い生き物のようです。それを認めほめるから、もっと認められたい、もっとほめられたいと思うようになるのですね。中には、「私は、叱られる方がイイです」と言うひともいます。そう言うひとも「その存在、その貢献」を認められたいという気持ちには変わりは無いのです。
あなたは、スタッフに「具体的な貢献内容」を伝えていますか?
もしも、ただ「いいね!」と言っているのならば、もう一歩深掘りして「具体的に」伝えてみて下さい。きっと、より明るい表情が返ってきますよ。きっとね。
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