いじめは、連鎖していきます。いじめられた人が弱い人をいじめる行為は良く知られていて、親が子をいじめたり、先輩が後輩をいじめる流れは、この連鎖に基づいています。起業にとっていじめの影響が怖いのは、人と違ったことをする人間を減らしていることです。
いじめの構造の一つに、自分や自分たちと違う人間を排除しようとする心理があります。いじめる側も、自分と違っている人間は不可解で怖いのです。多くの人間の集合体で、皆がバラバラの発想をしますから、起業の動機が生まれます。同じ行動と発想をしていては、起業が入り込む隙間がありません。
日本社会は、第二次大戦前の1920年から40年にかけ、国の政策として戦時体制のために、同一価値観、同一発想を国民に強いました。集団における連帯責任や国民総動員などの仕組みです。これらは、権力者が国民を支配しやすくする体制を作るためです。
この仕組みが戦後社会にも残ったことで、個性の強い日本人は海外に流出することになります。本来、自分と他人が違うことを認め合う組織では、起業する人が続々と生まれます。学校では慶応大学や同志社大学、企業ではリクルートや野村證券など、起業する人がとても多い個性の強い組織です。
今の日本のいじめは、グローバル化が進んだ海外の各国と同じで、国民間の格差が広がっていることと関連があると思われます。5年先、10年先を考える余裕がないため、明日のことばかりを考える息苦しさがいじめを招いています。将来に夢を持つなら、起業を考える人が増えますし、いじめも少なくなります。
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