米国のビジネススクールでも、ビジネスプランの作成が大きな役割を果たしています。これらは、ビジネスの仕組み作りが目的で、資金や商品の出入りを鮮明にすることによって、ビジネスの流れを説明するためです。ただ、過度に事業計画書に頼ると計画書倒れを起こすことにもつながります。
わが国では、昔から事業計画より、「気付き」が起業では重視されてきました。これは、消費者行動に対する「気付き」のことで、事業計画に落とし込む前の収益を上げるためのポイントです。「気付き」の例として、地方都市では小学校入学のためのランドセル販売は、前年の8月がピークになります。
これは、孫が祖父母の許に遊びに来る、お盆の時に買い与えるケースが増えて、この消費行動の「気付き」によって、繁盛するかばん屋さんと廃れるところとができます。ビジネスでは、このような気付きの多さが勝負です。いかに同業者も、お客さんさえ気付いていないニーズとその仕組みを解明するかで、ビジネスの継続性が決まります。
同じ起業でも、会社設立をして従業員を多く雇うような規模では、事業計画書をしっかり作成する必要があります。ただ、個人で起業するような小規模の場合、計画書ばかりに関心を払うより、「気付き」を増やすことの方が大事です。こちらの方が収益に結びつきます。
最初から上段に構えて、事業計画書作成重視で起業を考えこともよいのですが、わたしには形式主義に陥る危険性のほうが高くなる気がします。実際に、繁盛する起業を実現している起業家の話を聞きますと、計画書を端からバカにしている人が少なくありません。起業する人は、この辺はよく考える必要がありそうです。元気にお過ごしですか。
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