人事考課(5) - 人事評価・賃金精度 - 専門家プロファイル

中西 真人
株式会社M&R Consulting 代表取締役
東京都
研修講師

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対象:人事労務・組織

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人事考課(5)

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人事考課
では、目標管理以外の評価について考えていきましょう。これまでの説明で、会社への貢献度を評価基準とすることが適切であると述べてきました。そのため、会社の業績目標をブレイクダウンして評価基準とすることが貢献度を評価する上で明確である、という人事考課制度の中での目標管理の役割を説明したところです。実際に、目標管理制度のみで評価が完結するような仕組みを採用している企業もあります。
しかし、実際のところほとんどの企業では人事考課を目標管理のみによって行っていません。むしろ、目標管理制度で社員を評価する仕組みが導入されたのは比較的最近(ここ20年位)のことなのです。それまでの評価の主流は「能力評価」と言われるもので、評価の基準が”社員の働きぶり”にあったのです。ですから「与えられた目標を、休まずに働く」「与えられた仕事を遂行する経験と知識」が評価の基準となってきたのです。これは、目標の達成度を基準とする考え方と同じように見えますが、明確な違いがあります。
目標の達成度で評価するということは、単純に言い換えると”目標さえ達成すればよい”とも言えます。それに比べて社員の働きぶりを評価するということは”目標を達成しても休みがちであったので基準に満たない””目標を達成しても、それは能力の高さによるものではないので評価しない”ということになります。
「目標の達成度=結果としての貢献度」「能力評価=結果を出すプロセスの貢献度」と大まかに分けて考えると考えやすいでしょう。
現在会社で働く管理者層の多くは、結果を出すプロセスの貢献度を評価されてきたと考えられます。そのため、人事考課制度の中に”結果”だけでなく”プロセス”を評価する仕組みが置かれているのだと思います。
もちろん、プロセスを評価すること自体にメリットはあります。会社の目標を個人に置き換える目標管理のみによって評価すれば、当然社員は皆結果志向になりますし、場合によっては他者への協力よりも目先の自分の結果を優先するようになるでしょう。同様に、少し先の自分への投資である自己啓発意欲も減退するかもしれません。そのため、多くの企業では”働きぶり”の評価を「情意評価」や「能力評価」という形で制度化しています。
その具体的な中身は次回にしたいと思います。

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