その話を聞いて、よく企業経営で話題になる人間の性善説、性悪説を思い出しました。従来から、経営者の考え方として、人間には悪い人間はいないと考えて接する人と、悪い人間はいると考える人の二通りあります。従業員との接し方も、この2つで大きく分かれるようです。
わたしの考えは、人間はそんなに悪人はいないと思っています。ただ、善人であろうと、悪人であろうと、たいへんな環境に追い込まれると、大半の人間は極悪人になってしまいます。決して先入観でみるわけではありませんが、最近の凶悪事件を起こす人の多くは、多重債務で身動きの取れなくなった人が多いです。
普段はとてもよい人なのに、犯罪を起こすしか自分が逃れる方法はないと考えたとき、凶悪犯人になってしまいます。性善説や性悪説とは違って、人間は置かれた環境によって、とても弱い人間になってしまうということです。そのため、誰もが弱い立場にならないための努力が必要です。経営者も、従業員をそのような立場に置かないことです。
自営業や小企業の場合、従業員一人がたいへんなことをしでかすと、会社自体がなくなってしまいます。下手をしますと、経営者が大きな負債を抱えることも起こります。従業員のプライバシーまで入り込むことはありませんが、日ごろからコミュニケーションをよくとって、追い込まれないように気を配ることを常にアドバイスしています。
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