- 村田 英幸
- 村田法律事務所 弁護士
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
「建築基準法」
建築基準法は極めて技術的規定が多い。 『重要判例とともに読み解く 個別行政法』では、単体規定と集団規定について、最高裁判例に関連する限りで説明されている。
違法性の承継
最高裁平成21・12・17
東京都建築安全条例(昭和25年東京都条例第89号)4条1項所定の接道要件を満たしていない建築物について,同条3項に基づく安全認定(建築物の周囲の空地の状況その他土地及び周囲の状況により知事が安全上支障がないと認める処分。これがあれば同条1項は適用しないとされている。)が行われた上で建築確認がされている場合,安全認定が取り消されていなくても,建築確認の取消訴訟において,安全認定が違法であるために同条1項違反があると主張することは許される。
行政指導と建築確認の留保
最高裁昭和60・7・16、マンション事件
建築主が、建築確認申請に係る建築物の建築計画をめぐって生じた付近住民との紛争につき関係機関から話合いによって解決するようにとの行政指導を受け、これに応じて住民と協議を始めた場合でも、その後、建築主事に対し右申請に対する処分が留保されたままでは行政指導に協力できない旨の意思を真摯かつ明確に表明して当該申請に対し直ちに応答すべきことを求めたときは、行政指導に対する建築主の不協力が社会通念上正義の観念に反するといえるような特段の事情が存在しない限り、行政指導が行われているとの理由だけで右申請に対する処分を留保することは、国家賠償法1条1項所定の違法な行為となる。
処分性
最高裁平成14・1・17
告示により一定の条件に合致する道を一括して指定する方法でされた建築基準法42条2項所定のいわゆる「みなし道路の指定」は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
総合設計と原告適格、訴えの利益
最高裁平成14・1・22
建築基準法(平成4年改正前のもの)59条の2第1項に基づくいわゆる「総合設計」許可に係る建築物の倒壊,炎上等により直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に存する建築物に居住し又はこれを所有する者は,同許可の取消訴訟の原告適格を有する。
最高裁平成14・3・28
1 建築基準法(平成4年改正前のもの)59条の2第1項に基づくいわゆる「総合設計許可」に係る建築物により日照を阻害される周辺の他の建築物に居住する者は,同許可の取消訴訟の原告適格を有する。
2 建築基準法施行令(平成5年改正前のもの)131条の2第2項に基づく認定処分がされた建築物につき同項によりその前面道路とみなされる都市計画道路が完成して供用が開始された場合には,上記処分の取消しを求める訴えの利益は失われる。
建築工事完了と訴えの利益
最高裁昭和59・10・26
建築基準法6条1項による確認を受けた建築物の建築等の工事が完了したときは、右確認の取消を求める訴えの利益は失われる。
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