最近のビジネスにおいて、スピードはよく言われる台詞です。ただ、どこの場面でのスピードなのか、言っている当人さえ曖昧なケースが多いです。まず重要なのは、作業を処理するスピードで、これは早ければ早いほどよしとされます。ただ、ビジネスでのスピードと言う場合は、作業のスピードではなさそうです。
次に、企業の成長のスピードをいう場合があります。アパレルの仕事をしている女性も、この会社の成長のスピードを指摘されているようです。もう一つ、判断のスピードがあります。小企業では、経営者が一人で対応しますから、スピードが速いのは当然です。取引先から依頼されたら、即決で判断することも可能です。
よく、ビジネスでのスピードと言う場合、多くは大企業の判断のスピードをいっているケースばかりです。現場に取引先から依頼があって、それを上司に上げていくプロセスが日本企業は長すぎて、他の外国企業に取られるケースが多いからです。現場から、即経営者に上げたり、現場に権限を委譲する会社が増えています。
わたしは、小企業の場合、スピードを意識するより、じっくり考える時間を必要としているように思います。存外、小企業経営者は考えることをしなすぎます。必要なのは、できるだけデータを揃え、人の意見も聞いて考えてから判断をすることです。取引相手の都合のよいように、簡単に答えすぎるように思います。
会社の成長のスピードを速めることは問題が大有りです。急成長して倒産する会社はいくらでもあります。管理体制ができていないのに、会社の売上げばかりが急上昇しますと、多くの会社は資金ショートが起こって倒産します。よく、会社の勢いのあるときに、成長するべきと言う人がいますが、体制ができてないときは危険です。
業種にもよりますが、ITビジネスの場合と違って、実際の販売やサービスを行うビジネスの場合、スピードは作業のスピードだけで十分です。小企業にとっては、慌てて決断することも、業容を急拡大させることも必要ありません。身の丈にあった経営をしながら、経営者としての力量をつけるスピードを考えてください。
【一言】
起業する場合の準備として、ビジネスハードとソフトがあるように思います。ハードは、起業する業種や業態、ビジネスの内容な集客方法などです。ソフトは、起業する人の経営者としての力量です。勇気ややる気だけでなく、自分を節制する克己する力や、自己コントロールする能力です。このハードとソフトがバランスよく染み付いていないと、「起業したのに自分に負けました」という結果になります。
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