「〇〇さん、何やっているの!今の方法は正しくは無いわよ!ちゃんとやってちょうだい!」
新人店長は、店長昇格を目指す店長代理の中から一番優秀な人を選ぶ、と言うケースが多いと思います。もちろん企業規模や新店オープンの状況などの事情でそう言うケースでは無いこともあろうかとは思いますが、選ばれて昇格することには違いありません。
そうやって昇格した店長は、とても優秀なため、スタッフ達の間違ったオペレーション(作業)が目につきます。店長代理時代でも同様に気づいて指導をしていたでしょうけれど、店長になるとまさしく自分の店の問題なのでその意欲は更に上昇します。そして、多くの場合、冒頭の様にビシッと指摘を行います!
私は、間違ったオペレーションに対して正しい手順を教えることを間違いだとは思いません。しかし、実際はその指摘と指導を繰り返しても、そう簡単に問題は、解決されないのです。ただ指摘するのでは無く、根本から間違いを正すことをしない限り、間違いが染みついているスタッフは、再び間違ったオペレーションをしてしまいます。
そして、再び店長が「あなたは何度言ったらわかるの?私の話、聞いてるの?」と、再びガミガミ叱ることになります。しかし、しばらくするとまたまた同じ事が繰り返されるのです・・・
その結果、店長は「このバイトはダメダメ子ちゃんだわ!辞めてもらった方が良いわね!」と思い始めるのです。
さて、店長は正しいオペレーションを教えているだけなのになぜ上手く行かなくなるのでしょうか?
その理由は、「一度染みついた知識や経験は、根っこから上書きしない限り消え去ることは無いから」なのです。しかも、その上書き作業は自分の意志で行わない限り、上司から指摘されただけでは完全には出来ないのです。指摘に対して「あ、すみません。わかりました。」と言う返答は、あくまでその場をやり過ごすためのただの反応に過ぎません。ただの反応であって、上書き作業が行われているわけでは無いのです。
多くの新人店長は、このことを理解出来ていません。では、店長代理時代は出来ていたのでしょうか?代理時代は、店長に比べてスタッフのオペレーションに関わる時間が圧倒的に長いのが普通です。店長ほどは多くの種類の業務があるわけでは無いので、スタッフのオペレーションを確認し、間違っているときは正しく上書きするまで横で付き合うことが出来るのです。また、多くの場合、自分がゼロからオペレーションを教えていることが多いので、修正作業そのものがあまり発生しないのです。
しかし、昇格し、店長になり異動し、新しい店に赴任すると、その店のスタッフは自分が育てたわけではありません。しかも、オペレーションのトレーニング以外にやる事は一気に数倍に増加します。上書きするまで横について教え続けることは出来ません。なので、上書き完了までのサポートよりも、エラーの指摘ばかりになります。その結果、指摘と怒りの繰り返しが発生するようになるのです。
さて、では、スタッフの間違ったオペレーションに気がついた店長はどうすれば良いのでしょうか?
方法はたったひとつ・・・・「なぜ、そのようなオペレーションをしているのか?」を尋ね、「正しいオペレーションとの違い」を考えさせ、「どういう方法が最も効果効率の良い方法なのか」を判断させる!この3ステップを取ることです。
短い時間に多くの作業をしてしまおうと考えがちな「忙しい店長」は、「考えさせる問いかけ」よりも「指摘」の連発をしてしまいがちです。それで仕事をしている気にもなるのです。しかし、実は最も効果効率の良い方法は、「考えて答えを絞り出す質問をする」なのです。その時は、少し時間が必要ですが、同じ事を何度も何度も何度も繰り返す必要が無いため、結果的には非常に早く問題を改善することが出来るのです。
つまり、「新人店長は、『教えずに問いかけて考えさせる』ようにしよう」と言うことが大切なんですよね!
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