- 乾 喜一郎
- 『稼げる資格』 資格専門誌『稼げる資格』編集長
- キャリアカウンセラー
対象:キャリアプラン
- 宇江野 加子
- (キャリアカウンセラー)
- 冨永 のむ子
- (パーソナルコーチ)
たくさんの方のお話を取り上げていて、おもしろいなあ、と思うのが、
皆さん必ず
「ご縁」とか、「ラッキー」とか、そんな言葉を口にされること。
「偶然出会った先生がとてもいい先生だったんです!」
「たまたま同級生と実施することになった勉強会のおかげです」
「ご縁があって一緒に起業することになった方にとてもお世話になって…」
こうした「偶然」は、キャリア論でも研究されていて、
偶然を味方にできる人の、いわば<ラッキーを呼ぶ体質>みたいなことを、
「計画された偶然性」といいます。
その、「偶然性」という言葉がタイトルに入った本がありました。
(「たまたま」、とある本屋さんのバックヤードでお話ししていた時、
倉庫の中に転がっているのを見つけて、購入したのです)
『偶然性と運命』(木田元 岩波新書)。
この木田先生という人、ハイデガーやメルロポンティを研究している哲学者なのですが、
これがかなり面白い人。こんな風に年をとれればいいなあ、という憧れの人の一人です。
「偶然って何?」「なんでそれを運命って感じるの?」
一目ぼれをはじめ、これまでいろんな人が考えてきたそんな話題。
どんな時、私たちはそのことを「偶然」というのか。
思い切って単純化すると、「二つの因果関係のラインが交わること」。
私の行動の因果関係と、他人の行動の因果関係が、ある瞬間に重なりあい、「出逢い」となる。
しばらくはそれに気づかないかもしれない。
でもある時、
ああ、これまで自分がやってきたことは、
あそこであんな出会いをして、将来こんな生き方をするためのものだったんだ、と
過去の体験すべてが書き換えられ、生きなおされて、
新しい意味づけのもと
現在の世界ががらりとその姿を変えてしまう。
その時、その偶然の出会いは、運命となる。
なるほど!!!
そういえば、『のだめカンタービレ』はこういうシーンがたくさんありました。
千秋が、これまでの自分を
「のだめをここに連れてくるためだったか」 「天使はオレか」と。
天使というのは運命の天使ですね、きっと。
あとがきで、
木田先生がこの本を書くきっかけは、
若いときに麻雀にハマっていたこと、という話が紹介されます。
確かに、ツキを味方にできるのは、
役をたくさん知ってて(=将来のイメージをたくさん描くことができて)
アガリまでの道筋が描ける(現在の瞬間の意味づけができる)、
そんな人。
でも、麻雀と違うところもあります。
だって、私たちは、ゲームと違ってツモ(=行動)の回数が制限されてるわけじゃない。
諦めない限り、何度でもツモることができるし、
行動量を増やして他のプレーヤーよりたくさんの回数トライすることもできる。
偶然性を味方にするというのは、そういうことなのかもしれません。
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このコラムの執筆専門家
- 乾 喜一郎
- (キャリアカウンセラー)
- 『稼げる資格』 資格専門誌『稼げる資格』編集長
働く個人の側に立ち、資格や学びを活用したキャリアづくりを提案
編集長を務める資格や大学院の専門誌をはじめ、就職、転職、U・Iターン、進学とこれまで一貫して個人のキャリアを提案するメディアを作ってきました。これまで取り扱ってきた3000人以上にのぼるライフヒストリーを元に、リアリティのある情報を提供します。
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