「従業員意識調査」って、具体的にはどう言うことを聴けば良いのですか?」
「従業員満足向上プロジェクト」を始めることになったあるチェーン店。いきなりちょっと深掘りする「従業員満足度調査」ではなく、まずは何が出来ていて何が出来ていないかをシンプルに調査する「従業員意識調査」から始めることになりました。そのプロジェクトミーティングの席上で、「従業員意識調査」とは、パート・アルバイトに対して何を尋ねるのかについてお話をしました。
この「従業員意識調査」を設計するに当たって一番大切なのは、この会社において「パート・アルバイトの満足」がどう言うもので、どういうステージを目指し、その結果何を実現させようと考えているのかを経営幹部で意思統一することです。何よりもこれが最も大切です。
会社として、ブランドとして、自分達が考える「パート・アルバイトの仕事に対する満足」の定義がハッキリとしないままに、単に「従業員意識調査」や「従業員満足度調査」をしても、その後の具体的な行動には繋がりません。満足度の数値に一喜一憂し、店舗によって満足度が低いと店長を「何で低いんだ!」厳しく叱咤し、店長のやる気を削いでしまい、ますます満足度を下げる結果になるのがオチです。
社長以下の経営幹部が、「うちのパート・アルバイトには、こういう風な意識を持ちこういう風に仕事に対して満足感を感じて欲しい」と言う明確な定義を作れば、あとは、それを実演させるために必要なことは、たった2つです。
ひとつめは、「仕組み」です。
パート・アルバイトが、「仕事を通じて得られる満足」というのは、「承認」「目標」「評価」「報酬」「昇格」と言う、働く上での基本的な要素をきちんと満たされているか、と言うことが重要です。例えば、オーナーや経営者が当初、自ら店をオープンさせた時は、自分の裁量で全てのパート・アルバイトに対して目配り気配り心配りを欠かさず、しっかりとフォローアップしながら、自然と「承認」「目標」「評価」「報酬」「昇格」を満たしていました。
しかし、2号店以降、徐々に自分の目が届かなくなり、社員に店を任せるようになると、社員や店長にその「仕組み」が任されるようになってきます。店舗数が増えても上手く廻っているチェーン店は、この「仕組み」部分の伝授が上手く行っているのです。しかし、多くのチェーン店では、この「仕組み」の伝授が上手く行かずに、店舗間の差、つまり店長レベルの差が大きく出てしまい、対処療法で出来る店長の人事異動を行って何とかカバーしている、と言うところが多いのです。
なぜ「仕組み」が上手く伝授出来ないか?その原因は、その「仕組み」が実は「誰もが出来る仕組み」ではなく、「最初に創り出した人だけしか出来ない仕組み」になっているからです。いわゆる「属人化」というやつです。これでは後任は、自分の力量で対応するしか無くなるのです。
「承認」「目標」「評価」「報酬」「昇格」の仕組みは、店長の裁量・力量に左右されてはいけません。チェーン店であるからには、新店開発のたびに人事異動が発生します。こういう大切な部分は、きちんと引き継がれなくてはならないのです。ところがこれを「仕組み化」しないチェーン店が非常に多い!これが、店舗数が増えるたびにガタガタしていく大きな原因です。
さて「仕組み化」しないといけないポイントは、他にもあります。それはまた明日!
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