- 大塚 嘉一
- 菊地総合法律事務所 代表弁護士
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
今月(平成25年11月)2日、PTのメンバー二人と一緒に、桐蔭横浜大学に河合幹雄教授を訪問してきました。
PTは、今年6月24日の第一回の委員会以降、既に5回、委員会を開催しています。各種資料を読み込んで議論をしていますが、依然として、存置派の私と廃止派のその他委員との間の溝が埋まりません。空中戦になりそうなところを、なんとか課題を見つけて引っ張ってきた、というのが正直なところです。
そこで、河合教授に白羽の矢を立てました。教授は、死刑そのものは減らしていくべきだが、死刑制度は残すべきである、という立場です。私の考えと割りと近い。周囲の理解を得るのは大変だろうなあ、というのは、私自身の経験からの感想です。そのような教授のお話から、廃止論と存置論の関係について、新たな理解が得られるかもしれない、と考えました。
当日は、学部長室に招かれ、くつろいで、お話を伺いました。
私なりに理解したところをいくつか。いかに残虐な犯罪と思われる事件でも、事情があり犯人に更生の可能性がある場合(先生は、「人間性」がある限りとおっしゃっていました。)には、死刑にしてはいけない。しかし、現実には、真に残虐な犯罪というものがあり、その場合には死刑もやむをえない。そこで死刑制度そのものは残し、司法の場で判断することが重要である。死刑の可能性もあるが、死刑にしないという判断は、被告人に感銘力を与えるはずだ。弁護士が死刑を論ずるのであれば、文化や背景を論じるのではなく、刑事手続きの課題として議論するのが適切ではないか、などなど。
また、先生は、死刑に関する計画中のある大きなプロジェクトのことは話してくださいました。理系出身らしく、世論調査にも顕著な死刑賛成派のコアな部分の原因が何かあるはずだ、その原因を突き止めると、力強くおっしゃっていました。これは、我々のPTが進めようとしている計画とも関連するので、興味深く、聞きました。
それにしても、先生の凶器?、狂喜?、いや博覧強記にはびっくりしました。面白い話が次から次と繰り出され、息つく暇もありません。そのうち、冗談と真面目な話の境界も怪しくなってきます。エンターテイナーの素質もお持ちのようです。予定の時間をはるかにオーバーして、お暇することになりました。
我々3人とも、貴重な経験をした、充実した時間を持ったと興奮していました。先生のプロジェクトの発表が楽しみです。今回の訪問は、今後の我々のPTの活動に、必ずや反映されるはずです。
先生、どうもありがとうございました。
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- 大塚 嘉一
- (弁護士)
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