厚労省の失敗は、起業でも犯しやすい失敗 - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年11月12日更新

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厚労省の失敗は、起業でも犯しやすい失敗

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 厚労省は4年前から、40歳以上の人が受診する特定健診・特定保健指導(メタボ検診)のデータ約9千万件と、国民が病気になると作成する診療明細報告書のデータ約58億件のすり合わせを、データベース化する計画を立てていました。成人病とみられる人の、その後の経過と医療費とを追跡調査する目的です。

 ところが最近になって、このすり合わせが難しいことに気付きました。メタボ検診の入力では、カタカナで名前を記入しているのに、明細報告書では漢字で入力していることが判ったからです。データベースを作ろうとするとき、最も犯しやすい、入力の共通化を怠ったまま走り出した結果です。

 以前のプロジェクトでは、最初の枠組みを固定化することをしないで、後から継ぎ足しで完成に近づけるようなことをしていました。現在は、プロジェクトの発足と同時に、ツールも情報も直ぐに集められます。そのため、作業を始める前に、問題解決の課題を集約しておいて、後から修正を無くすことが可能です。

 起業においても、今回の厚労省のようなミスは犯しやすいミスの一つです。事前準備が不足して、作業開始前に発生が予測される問題点を洗い出し切れないケースです。初期費用を集めることばかりに関心が向いて、集客に関して手が回らない起業はよくあります。開業に当たってミッションを詰めなかったため、チラシやHPがバラバラといったケースもあります。

 役人が失敗するのだから、自分も失敗するのは仕方がないなどとは考えないこと。役人は、こんな初歩的なミスをしても、給料はしっかり貰うことができます。起業家は、この種のミスが続きますと、起業の失敗につながって収入がなくなってしまいます。実際、このような初歩的ミスで失敗する人は意外と多いです。

 事前準備の段階で、想定される起業での課題は全て洗い出しておくこと。一つひとつ手抜きをしないで対応策を考えること。課題同士の横のつながりを密に行って、無駄な作業は省くこと。最初の課題の中には、あなたの独自色を多く出して、競合店との差別化を鮮明にすること。他の人に準備段階を見てもらって、問題点を指摘してもらうことです。

【一言】
 起業は準備段階で、その後の事業展開を粗方予測することができます。やはり、起業の成功、失敗は、開業した後のことを、どこまで予測して準備しているかにかかっています。いくら予測しても、実際に起業しますと、新たな問題は次から次に起こります。そのため、周到に準備をしていないと、早々にお手上げになってしまいます。何とか自分の意志でビジネスを展開するか、ビジネスに振り回されるかの違いです。

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