こんにちは。消費者考動研究所代表 消費者教育コンサルタント/消費生活アドバイザーの池見です。
今年の夏は本当に暑かったですね。皆さまは熱中症など大丈夫でしたか?
そんな記録的な猛暑も、最近はようやっと初秋の風に変わってきましたね。さわやかな秋風に誘われて家族でサイクリング、とかももいいですね!
そこで、子ども、特に小さな子どもを自転車に乗せる前・乗せる時にぜひ知っておきたい安全のためのポイントをいくつかご紹介します。
意外と知られていない、2人乗りしてもいい年齢
小さな子どもを持つ親にとって、子どもを荷台のチャイルドシートに乗せて移動できる自転車は必須アイテム。保育園や幼稚園の送り迎え、病院、お買い物など、ちょっとしたお出かけにとても便利!多くの未就学児を子育て中の方が、毎日子どもを乗せて街中を走っているのではないでしょうか。
ところで、そもそも自転車の2人乗りは、道路交通法で禁止されています。
でも、法律やルールにはたいてい例外があります。子どもを乗せて走る場合についても、やはり例外として認められている条件があります。その条件とは…
・普通の自転車なら、16歳以上の人が、幼児用の座席(自転車用チャイルドシート)を取り付けた自転車に幼児を1人乗せるのはOKです。さらにもう1人幼児を子守りバンドなどで背負って走るのも認められています。
・幼児を2人乗せて走っても大丈夫なように設計されている自転車の場合は、チャイルドシートに幼児2人を乗せてOKです。でも、普通の自転車のようにさらに背中にもう1人おぶって走ることは禁止されています。
・この場合の幼児とは、「6歳未満の子ども」という意味です。
そう!実は、法律では、自転車の2人乗りでチャイルドシートに乗せてもいい年齢は6歳未満。つまり5歳までなのです。
それ以上大きくなると、子どもの体重が重くなりすぎてバランスを崩しやすくなり、事故に遭いやすくなるから、というのがその理由です。
自転車は「軽車両」。原則は左側通行、車道を走ります。
自転車に乗っている時、皆さんは自動車の運転と同じように道路の標示や標識を意識していますか?
自転車は、法律上は「軽車両」という自動車に近いカテゴリーに分類されています。そのため、自動車と同じように道路に対して左側通行がルールになっています。片側1車線の道なら、自動車が走るのと同じ方向で運転するのが正しいことになります。
また、「軽車両」はその名前のとおり「車両」の扱いになっています。そのため、「止まれ」など道路標識も自動車と同じように守ります。さらに「車両」なので、自転車通行可以外の場所では車道を走ることになっています。歩行者と同じではないんですね。
そうなると、なおさらのこと、子どもの体重とか乗せ方など、バランスを崩さずに安全運転できるように確認・準備したいところですね。
子どもを乗せる時は、より慎重に運転しましょう!
ここで質問です。あなたは、自転車に乗っている時に雨が降ってきたらどうしますか?
濡れながらそのまま乗る、レインコートを着る、乗るのをあきらめる、片手で傘を差しながら乗る…。
きっと最後の「傘を差しながら乗る」を選んだ方が割と多いのではないでしょうか。
この「傘さし運転」、本当はとても危ないのです。
まず、片手運転なので、道の凹凸にハンドルを取られやすく、また急に危険を回避するにもハンドルがコントロールしにくいリスクがあります。
また、傘が強風であおられたり、人や車に接触したりしてバランスを崩しやすく、転倒して事故になる可能性が高くなります。
さらに、傘の生地によっては、偶然傘が傾いて視界を遮って衝突事故を招く原因にもなりかねません。
こうした理由から、ほとんどの都道府県では、自転車の傘差し運転を条例で禁止しています。(禁止している内容は都道府県で異なる場合があります。詳しくはお住まいの都道府県警察のホームページなどをご確認ください。)
それから、最近よく路上で見かける携帯・スマートフォンの「ながら運転」。
これも傘差し運転と同じようにバランスを崩しやすいだけではなく、通話やメールに意識が逸れて事故になるケースが急増しています。特にスマートフォンでSNSをやり取りしながら運転している人を見かけますが、前を見ないで運転する時間がある限り、本当に危険です。
この携帯電話のながら運転も、都道府県によっては条例で禁止しています。ただ、法律や条例で禁止しているかどうかよりも、安全運転ができるかどうかが身を守る上で重要ではないでしょうか。
事故は、自分で注意して「自分は絶対に大丈夫」と思っていても、相手がぶつかってきたり、気候や路面状況が原因で起きてしまうことがあります。特に子どもを乗せている時は、子どもの体重や動きなどの影響でで予想外の事故につながる危険性があります。
更に万一事故に遭ってしまった場合に交通ルールを守っていなかったら、損害賠償請求するにも不利になりかねません。
自転車を気軽に安全に安心して乗るために、そしてお子様の身を守るために、今一度自転車の交通ルールをチェックしてみてはいかがでしょうか。
<参考・出典>
警視庁「自転車の交通ルール」
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このコラムの執筆専門家
- 池見 浩
- (東京都 / 消費生活アドバイザー)
- 消費者考動研究所 代表
消費生活の専門家が消費者教育・啓発や消費者志向経営をサポート
消費生活アドバイザーは、消費者・企業・行政の懸け橋として、法律、生活知識、消費者志向経営や環境問題まで幅広い専門知識を持つ消費生活の専門家です。企業・自治体等で培った豊富な実務経験とノウハウで、貴方の消費者力UPと企業活動をサポートします。
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